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ガリーナエッグ
どうも日本ではパワーストンとしてか認識されていないようで、成因に付いては不明。内部は方鉛鉱の小さな結晶で覆われている。内部両端には、垂れ下がるような形態の部分がある。 丸い石の好きだったprinさんが喜ぶだろうとポストした。成因に付いては、黒鉱の様な鉱床に含まれている化石の様に思うが、これはこの標本だけでの予想。外国の論文も調べる必要がある。
2024年3月17日 ネットで購入 径7㎝SilicifiedZone
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楽焼の火鉢 20231112
自宅前の家屋を解体していた業者が、この火鉢だけは最後まで潰さずに残されていた。ぱっと見、良い物に見えたのかも知れない。汚いと言えば汚いし、良い物と思えば良い物にも見える。この火鉢が、どう言う訳かこの業者、僕の家の前にこの火鉢を置いて撤退して行った。ユンボでバリバリ壊していたのに、この火鉢には傷一つ無く大事に扱ったみたい。きっと解体で迷惑かけたら、そのお礼のつもりだったのかも知れない。 せっかく頂いたから、きれいに洗ってみた。遠目には信楽かなとは思っていたけど、上部は楽焼の植木鉢で、下部の黒の台部分は楽よりも堅く焼かれていて、それらをくっ付けて火鉢にした物らしい。 火鉢部分は軟らかいため、捻り返しの縁の部分の上面は釉が剥げてしまっている。植木鉢と判断したのは、底に穴が開いているから。そして多分、轆轤は手回しか蹴り轆轤での成型、台部分は電気轆轤での成型のようだから、植木鉢を後に火鉢に作り直した可能性が高い。これは、案外、風流人の特別制作品かも知れない。そう思っておこう(笑)
不明 無料 自宅前の民家 (明延)SilicifiedZone
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機械式計算機 20230903
デンマーク製の機械式計算機。CONTEX-10。裏に貼ってある「兵庫県養父郡(現養父市)大屋町明延 三菱金属鉱業株式会社 明延鉱業所業務課」のラベルが値打ち。
事務機器 デンマーク製 CONTEX-10 機械式計算機 明延の方からの頂き物SilicifiedZone
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チョコレート鉱 2023-07-06
マンガン鉱石は、黒く変色する物が多いです。その原因は、マンガンを含むため、黒くなるとされているようです。確かにそうなのでしょうけど、黒化し易いと言われる「緑マン」ですら、ほとんど変色しない物があります。となると、その主原因は他に在るはずです。また、破面は黒化しやすく、研磨面はし難いとされています。そこで、その主原因は「微細なパイロクロアイト」だと、私は考えます。 このパイロクロアイトと言う鉱物は、新鮮な時は無色透明で存在が分かりませんが、酸素の存在下すぐに酸化し始め、茶褐色のファイトクネヒト鉱に変わります。つまり、忍者の様な鉱物なのです。ただ、酸素の存在下では、その秘技が失われます。また、破面は、その弱い部分で破断します。パイロクロアイトは柔らくて劈開があります。つまり、パイロクロアイトのある部分で破断するのです。また切断研磨すると、その面にパイロクロアイトが存在する確率は低く、研磨面が変色し難くなるのです。 チョコレート鉱は、菱マンガン鉱、ハウスマン鉱、アレガニー鉱、ヤコブス鉱、リッベ石等からなる高品位鉱です。勿論パイロクロアイトが含まれているでしょう。 鉱物コレクターとしては、変色した標本なんて値打ちが有りません。そこで、何とか新鮮な状態で保存したい訳です。そこで切断研磨して、ワックスがけしましたが、それでも何年か経過すると変色しました。それで、今回は片側にガラスを貼り付けたものと、もう一つはアクリル塗装をしてみました。さて、今後何年新鮮な状態を保つでしょうか。例え変色したとしても、再研磨すれば済むので、標本自体が大きく損壊する事もありません。その上、鉱石の構造が細かく観察する事が出来るようにもなります。これも、最大の特徴です。
2023年7月4日 マンガン鉱脈標本 10年位前SilicifiedZone
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シカマイアの正体を示す標本 2023-06-06
私の雲根誌21の館には、シカマイアの正体を示す標本が幾つか在る。その一つがこれ。 シカマイアの最新説は、「巨大二枚貝である」と言う論文が発表されている。しかし、二枚貝と言えないシカマイアが、数は少ないが存在する。それは、シカマイアの真中心部での切断面でないと、この形は現れないからだ。その確率は、数10分の1位か。この部分は、シカマイアの蝶番部分とされている。 本巣市が、シカマイアの標本を集めて置こうと、地元同好会に依頼して、その候補標本に黄色い印を付けて貰った。その印が、この標本の右下に付いている。そしたら、その数100個になったらしい。そこでさらに選別して、数10個に絞り、それらに赤い印を付けられて、それを回収された。これは、その選に漏れたシカマイア。むしろ、最高の標本で、金色を付けるべきだったと言えるだろう。 雲根誌21の館では、「シカマイアは、海綿化石」と考えて居る。また地元では昔から、「アヤメ石」と呼称されており、まだこちらの方が、この形・構造を良く観察、理解されているのだと思う。
雲根誌21 化石編 写真に物差しが置いてあります。 岐阜県本巣市根尾 初鹿谷SilicifiedZone
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東濃の球状花崗岩「なんだもんだ」 2023-05-30
この球状花崗岩は、Prinさんと私Jackが、出会ったきっかけとなった記念の球状花崗岩です。また、この石は、愛知県の北村さんが発見し、標本を地質標本館へ持ち込んだことから公になりました。そして、私達は、この石から、球状花崗岩の解明をスタートさせました。 現在では、捕獲岩から球状岩に発展したと言うのが大勢の意見のようです。しかし、それでは、どうして球状花崗岩なるのか、そこが解明出来ていないのです。私は、どう考えても、捕獲岩が球状構造を示すようにはなる訳が無いと思います。それは、捕獲岩と球状花崗岩しか存在せず、その中間的構造を示す物が存在しないからです。 そして、兵庫県明延に、球状花崗岩に関係する石を集めた「なんだもんだ館」と言う、リアルな展示場(非公開)を作りました。
雲根誌21 化石編 2009年5月 岐阜県東濃地区SilicifiedZone
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アガード石 明延鉱山産 2020-09-13
私の山勘定ですので、鉱物名は当てになりませんが、色からそう鑑定しました。明延でも、めったに見られない鉱物の一つです。
鉱物標本 砒酸塩鉱物 実体顕微鏡で撮影 明延鉱山SilicifiedZone
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リューコフェニクス石 弥栄鉱山 黒谷鉱床 2020-09-19
弥栄鉱山のリューコフェニクス石の模式標本。この半分は、つくばの地質標本館に寄贈したので、そこに在るはず。 リューコフェニクス石は、黒い帯状部分に多く含まれている。二枚目写真は、その鉱物の多く含まれている部分の拡大。三枚の褐色部分は、アレガニー鉱やハウスマン鉱、菱マンガン鉱の多い部分。 黒色部には、リューコフェニクス石、ケリー石、ヤコブス鉱、リッベ石、アレガニー鉱、ハウスマン鉱、菱マンガン鉱等が、多く含まれている。 この鉱物発見には、色々とエピソードが有る。ここには結構、良いチョコレート鉱が多く残存していた。おそらく、これを採掘した古い時代は、二酸化マンガン鉱だけが目的だったようで、この様な高品位鉱でも打ち捨てられていた為らしい。まあ、現代人への、お土産みたいな鉱山だった。 それらを見つけて、私は、結構の間、一人で長島石様の鉱物やスイッツアー石等を見つけたりして楽しんでいた。ある程度の調査を終えたので、このチョコレート鉱の鑑定を友人に依頼した。 その友人の分析中に鉱物業者がやって来たので、リューコフェニクス石が検出された事を教えたと言う。もちろん、その業者は売れると考え、産地を聞くに決まっている。友人は、全てをぺらぺらと喋ったと言う。それで、「なぜ、私個人が依頼した件を、私の許可も無く、他人に喋ったのか」との問いに、「僕は嘘をつくのは嫌だから、本当の事を喋った」との返事。でも、本当の事とは、「個人の依頼だから、教えられない」と言うのが常識だと思う。それで、この産地の事が公になり、多くの人が訪れる様になり、もう既に、荒れ果ててしまったと言う。ある友人は、「もう、あそこは行かない方が良い。あの状況を見たらショックだから」と忠告を受けた。この様な状況だから、私は、これらの石を抱えて、あの世に行くかもしれません。黒谷の石は、もう世に出ないかも。
鉱物標本 滋賀県 弥栄鉱山 黒谷鉱床 2009年頃SilicifiedZone
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球状赤鉄鉱 2021-02-08
赤鉄鉱と言っても、赤くはない。鏡鉄鉱と言う銀色、金属光沢の赤鉄鉱の鱗片状結晶の集合塊。ここでは、局部的に、このような球体を含む。こんな物が、熱水鉱床に出来るだろうか。
いわゆるノジュール 自採 2010年頃SilicifiedZone
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鮞状石灰岩と呼ばれている石灰岩 2020-10-24
鮞状石灰岩と呼ばれている石灰岩が、スカルン鉱床の上盤の石灰岩中に、局所的に含まれている。 どう見ても、何らかの化石に見えるので、切断標本 (最初の二枚) と、薄片にしてみた (3枚目以降)。 2枚目の写真の黒い輪部分は、閃亜鉛鉱などの硫化金属鉱物で、石灰岩が熱水に置換され、スカルン鉱床が生成した証拠なのだそうだ。 ここではスカルン鉱床の成因は置いておいて、この丸い物体の正体が何なのかが問題なのだ。少なくとも、鮞状石灰岩でないことは明白だろう。巨大博物館の専門家に聞いても分らないという代物だ。素人考えでは、有孔虫の一種ではないかと思うが。 大きさは、一つの球体は、大きくて数ミリ程度。
雲根誌21 化石編 京都府 梅谷鉱山 2014年SilicifiedZone
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石灰岩を貫く鉱脈 明延鉱山 2020-09-24
スカルン鉱床は、石灰岩等、炭酸塩岩に接近したマグマから金属成分などが供給され、生成したとされている。しかし、その交代作用の機構は未だに示されておらず、一種の熱水鉱床だとも言われている。 この標本は、石灰岩を熱水鉱脈が貫いているが、ほとんど石灰岩に影響を与えていない。交代鉱床の成因を否定する証拠に成り得る標本。
雲根誌21 鉱物編 明延鉱山 2017年SilicifiedZone
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算盤玉石球顆の標本 2020-10-29
もの日記に書きましたが、私の採集方法は、ただ採ると言うのでは無く、それが、どのように存在していたか、それをそのままに標本にする様にしています。すると、それの生成過程を明らかにすることが出来ます。ただ、綺麗な球顆を採って、その中から算盤玉石だけを取り出して標本にしたら、それは、ただの算盤玉石の標本です。それでは、算盤玉石が球顆の中に入っていることすら分りません。 ある日、産地に行くと、露頭に球顆の頭が出ていました。それを掘出すと、さらに奥に続いています。順番に掘って行くと、どんどん続いていきます。取り敢えず30㎝位まで掘りました。これを持って帰って、整理して、掘出した順に繋いで行きます。そして、また掘りに行って、繋いでと5回位繰り返しました。そして完成したのが、4枚目の写真。掘り出した時は本当にバラバラなので、完成までに約3ヶ月かかりました。 そしたら、まだ、その下の方にも、続いていたのです。同じように、5回ほど繰り返して、完成したのが、1枚目~3枚目の写真のブロック。このブロックは、表、裏、上からと写真を撮りました。 2枚目の写真の前面を上に向けて、4枚目のブロックを上下逆さまにひっくり返して、その上に置くと、掘出す前の位置関係になります。
雲根誌21 岩石編 京都府京丹後市 2004年SilicifiedZone
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「雨だれ石」と言われている謎の石 2021-02-13
兵庫県の但馬で「雨だれ石」では無いかと言われている石。 誰が言ったのか知らないけど、火山灰堆積層の上に雨が降って、生成したという説がある。それなら、一つの層理面上に存在しないといけないが、まばらに入っているので違和感がある。それに、この石は、角閃石の斑晶があるので、凝灰岩と言うよりは、ヒン岩系の火成岩だと思う。 1枚目写真 雨だれ石 2枚目~4枚目は、雨だれ斑が大きな物。これらが存在するため、雨だれが成因で無いことは確か。おそらくは、斑の形から、捕獲岩では無いかと思う。 5枚目と6枚目写真 マトリックス部分と捕獲岩との境界が反応して、球状構造になりつつある過程か。もし、そう言う部分を見付けられれば、球状ヒン岩の誕生。
雲根誌21 岩石編 兵庫県 但馬海岸 2021/02/12SilicifiedZone
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饅頭石 2020-11-19
鳥取県 大山周辺で産出した饅頭石です。現在では、露頭は被覆工事され、採集も見学も不能になってます。 1枚目は、典型的な饅頭石。2枚目は、その露頭。3.4.5枚目は、細長いタイプで、枝分かれしている物も有りました。6枚目は、その断面。7.8枚目は巨大な饅頭石。 これら資料から、従来説のアルミナ球顆説は、完全に覆るでしょう。
雲根誌21 化石編 鳥取県 大山山麓 2004年頃SilicifiedZone
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マンガン鉱脈標本 京都府南丹市のマンガン鉱山 2020-09-24
ほぼ鉱脈の全体を示すマンガン鉱標本です。 この標本の上部は、ほぼ平坦な面になって居る事から、生成時はこの向きだった事が分かります。この上に「かつぎ」と言う薄い粘土層が有り、その上に二酸化マンガン鉱が載ります。よって、この二酸化マンガン鉱を担いでいたために、この粘土層を「かつぎ」と呼んでいたのでしょう。戦前位までは、この二酸化マンガン鉱の部分だけを採掘していたのです。多くの小さい鉱山では、層が薄いので、人が一人、這って入れる位の小さな穴で掘っていたために、狸掘りと言われました。 かつぎが在るために、そこから外れてしまい、鉱脈全体の標本が作れないのです。しかも、たいていは、有っても、採集者によって叩き割られて、粉々にされています。現在では、この様な標本を作る事は、なかなか難しいのです。
マンガン鉱脈標本 高さ 23㎝ 京都府 南丹市のマンガン鉱山SilicifiedZone