マンガン鉱脈標本 京都府南丹市のマンガン鉱山 2020-09-24

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ほぼ鉱脈の全体を示すマンガン鉱標本です。
 この標本の上部は、ほぼ平坦な面になって居る事から、生成時はこの向きだった事が分かります。この上に「かつぎ」と言う薄い粘土層が有り、その上に二酸化マンガン鉱が載ります。よって、この二酸化マンガン鉱を担いでいたために、この粘土層を「かつぎ」と呼んでいたのでしょう。戦前位までは、この二酸化マンガン鉱の部分だけを採掘していたのです。多くの小さい鉱山では、層が薄いので、人が一人、這って入れる位の小さな穴で掘っていたために、狸掘りと言われました。

 かつぎが在るために、そこから外れてしまい、鉱脈全体の標本が作れないのです。しかも、たいていは、有っても、採集者によって叩き割られて、粉々にされています。現在では、この様な標本を作る事は、なかなか難しいのです。

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