満礬柘榴石 (spessartine) 田口鉱山 #0069

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満礬柘榴石はネソ珪酸塩の柘榴石群に属し、純粋なものは淡褐色ですが、鉄礬柘榴石あるいは苦礬柘榴石成分を固溶体として含み赤褐色を示すことが多くあり、判別を困難にします。満礬柘榴石はマンガン鉱床中もしくはペグマタイト中に産し、菱形十二面体あるいは偏菱二十四面体の自形結晶のほか、粒状や塊状となって産出します。(1枚目は背景をソフトウエア処理しています。)

田口鉱山は明治末期から大正年間にかけて二酸化マンガンが採掘され、第二次世界大戦後は1949年(昭和24年)以来1960年代まで稼行していたマンガン鉱山です。泥質片岩に伴われる層状マンガン鉱床で、鉱石品位はMn32%からMn55%の高品位のものまであり、鉱石鉱物の種類も多かったそうです。周辺の岩石は主として過去の海底堆積物がプレートの沈み込みに伴ってはぎ取られて付加体となった後マグマの熱による変成作用を受けた領家変成岩類からなり、これらを少量の花崗岩類(半花崗岩、ペグマタイト類を含む)が貫いていました。

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