宮城県白石市小原七里沢 雨塚山 紫水晶

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『ミネラ』77号掲載

私は、ここの紫水晶の美しさが日本一だと思います。

美しさ
稀少性
価値

全てが最高ランクでしょう。
長さは5cm。

私が購入した国産水晶の中でも最高レベルの額でした。一生の宝物。国産鉱物の愛好家から託される形で入手しました。

雨塚山の歴史としては、古くは江戸時代頃までには産出が知られており、根付(ストラップ)として加工されていました。当時は小原村の紫水晶として出回っていたようです。

明治時代以降、印材加工による国産水晶需要が高まった際、ブラジル産水晶輸入と同時並行で日本各地の水晶が、山梨の加工業者の手に渡りました。その際、秋田の荒川鉱山や鳥取県藤屋、韓国の彦陽の紫水晶とともに、雨塚山の紫水晶が使用されています。

レピドクロサイトが内包されていない、色が濃い小さめの印材がありますが、山梨県の水晶印材がセットであれば、雨塚山の紫水晶の可能性が高いです。また、現在の紫水晶の印材はサシやモヤがないものが多く使われるので、内包物とは別にサシがあるならその可能性は上がります。

平成以降、鉱物愛好家による乱獲が問題視され、現在は採取禁止。荒れ果ててしまい、立ち入りができないようです。

荒れるのはよくありませんが、保全は良いことと思います。
むしろ、いつまでもこの国の宝として、地中に眠っていてもらいたい。

紫が見られる石英は、付近の川に落ちているのが時折見かけられるそうです。

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