貴婦人メシャムパイプ チャーチワーデン

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所謂チャーチワーデンパイプ。
教会で夜の見廻り人(教区委員)を指すワーデンが、パイプの煙で警備に支障を来たさないために使ったことが由来。
ブライヤーのチャーチワーデンは、現代においても2万円前後で買えるが、メシャムのそれは大変珍しく、例に漏れず私は惹かれた。
買ってからボウルもシャンクも綺麗に掃除したので、今でも喫煙に使用できる。
さて、この作品の魅力だが、第一にこの時代特有の彫刻の美しさがある。
高潔な貴婦人の顔、細かい仕事が判る首飾り。
個人的に一番好きなのは、耳だ。イヤリングも凄いが、耳そのものもかなり良く彫ってある。
そして次に第二の魅力は水牛の角でできたシャンク。
水牛の角にどうやってか知らないが、穴を開けて煙道にしているのだ。角の自然な形は残しながら、しっかりと
パイプの部品として機能する様は見事である。
また、水牛の角は、練り琥珀の類よりも丈夫だと聞いたので、恐る恐るモールで綺麗に掃除したが、その通りであった。
第三の魅力は持ちやすさである。
なんともカンファタブルである。しっくりと馴染むのだ。スモーキングジャケットと共にコーディネートすると我が体型も相まって非常に様になると思い、スモーキングジャケットも製作中である。
そして最後の魅力は、革製のケースが残っていることだ。これほどの長さの革製のケースは未だ嘗て見たことがない。中のヴェルヴェットも含み、状態も非常に良い。総てにおいて素晴らしいこのパイプで、今冬は優雅におうち時間を過ごせそうである。

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