【辻村寿三郎　人形館】　　広島県三次市

広島県の北東部に在る三次（みよし）市。　

　
三つの川が合流するところから三次、古くから交通の要として栄えました。　鵜飼と花火が有名でかなり見応えがあります。

以前日記で紹介した、あの【怪奇大作戦】２３話『呪いの壺』で、圧倒的に狂気に満ちた演技と存在とその最期を見せつけた犯人・日野統三を演じた『花ノ本寿』（はなのもと　ことぶき。日本舞踊の花ノ本流１４世宗家）氏もこの三次市出身。

【辻村寿三郎】氏もこの三次市出身。　　満州で産まれ、後に広島市で育つも太平洋戦争悪化に伴い母の実家の在る三次市に疎開。　まもなく原爆投下で難を逃れている。　　約１０年、この三次に住むも、本来やりたかった人形作りや美術関係の仕事をしたく上京。

ところがいつまで経っても芽が出ず貧困に喘ぐ。　　１度無銭飲食で捕まり、取調室に入ってまなしに警察署の前で大きな交通事故が起こり、署員達が車をどかしたりするのに総出で手伝う。　取調室の署員も出ていき、鍵もかかっておらず、当事は監視カメラもなく、取調べ前だったので住所・氏名も知られていないので逃げたらしい（本人談：笑）

相変わらずの貧乏暮らしだったが、よく当たるとウワサの占い師に診てもらうと、「アンタは来年に凄い運気が来る」と言われた。　そしてその通り、翌年ＮＨＫから人形劇【新八犬伝】の人形製作・操演指導・美術の依頼が来た。　　この番組はかなりの人気を博し（僕も観ていましたとも）、その後の【真田十勇士】もヒットし人気作家となり、それ以来数々の賞を受賞。海外でも有名みたいです。
https://www.youtube.com/watch?v=nd01lLmzbmU

そんな彼の功績を称え、２０１３年に１０代を過ごした三次市に【辻村寿三郎　人形館】を開設。　資料はもちろん、なんと撮影に使われた人形を展示された。

僕は開設直後に行きましたが、子供の頃の夕方にテレビで観ていた【新八犬伝】の人形達がずらり展示され、なかでも怨霊となった【玉梓（たまずさ）】は人間くらいの大きさで、間近で観ると凄い迫力で恐かったです。

２０２１年の去年に行ったら【新八犬伝】の人形は無く、資料は在るものの、昔や近年に製作した人形、二代目辻村寿三郎氏の人形とかでさっぱり魅力は無くなっている。　ネットでも「あれで入館料８００円は高い」の声が多い。

余談だが、この近所に【三次もののけミュージアム】なる妖怪博物館も出来たが、今コロナで臨時休館中。

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