見知らぬ人でなく / 久保田早紀

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1982年発表の5th.アルバム。 10曲中9曲が井上鑑の編曲。 全編にわたって都会に住む女性の孤独感や不安感を唄い、ハッピーなラブソングは皆無。 しかしながら、前作で感じられた心の振れのような不安定さは無くなり、彼女のヴォーカルは落ちついていて安心して聴ける。 前作発表後に地元のプロテスタント教会で洗礼を受けた事が、その理由であるのに間違いない。当時の彼女の精神状態は知る術もないが、今まで発表された作品を通して感じた私の印象が正しければ、幼少期に通った教会の日曜学校で慣れ親しんでいた神に救いを求めたのも、何となく納得できる。 以前にも書いたが、前作同様に都会に生きる女性の日常を描くのが彼女の望んだスタイルだとすれば、それは今回の作品で全うできたのか。 最後の曲「車窓」ではこう綴っている。 ♪旅に 出るなんて 思いも しなかった 見送ってばかり いた私だから♪ ここから更にまた新たな世界へと旅立つ事になる。

#アナログレコード

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