「You Don't Love Me」 Gary Walker

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ウォーカー・ブラザースのドラマー、ゲイリー・ウォーカーの初ソロ・シングル。
ブルースマンのウィリー・コブスのオリジナルでしたか、ソニーとシェールのファーストアルバム『Look At Us』を聴いてその中に入っているこの曲がすっかり気に入った彼は、バックをつとめるザ・クォーテーションズとほんの4時間ばかりアイディアを考えると、わずか10分でレコーディングしたとか…。鼻にかかったヴォーカルが、いかにもゲイリーらしい楽曲。FUZZギター炸裂、ミッドテンポMOD-ガレージ・ナンバー!
1966年3月に全英シングルチャートで最高位26位に達した。
収録曲
Aside You Don't Love Me
Arranged and Produced by Scott Walker & John Stewart(Alec Noel Productions)
Written By [Incorrect]–Tommy Raye
Written-By [Uncredited]–Willie Cobbs

Bside Get It Right
Arranged and Produced by Scott Walker & John Stewart(Alec Noel Productions)
Written-By–John Stewart

蛇足ながら、1968年、アル・クーパーとスティーヴン・スティルスはこの「You Don't Love Me」をレコーディングし、大成功を収めたアルバム『Super Session』に収録した。
2年のうちに4度も来日をするほど親日家で、コケティッシュで、気さくで、私にとって親しみやすさを感じさせる最初の“外タレ”でした。
彼がライヴでよく歌っていた「ディジー・ミス・リジー Dizzy Miss Lizzy」の熱唱が懐かしい。
ゲイリー・ウォーカー (Gary Leeds)
1942年3月9日生まれ。1962年末~64年、ロサンゼルスのガレージバンド、スタンデルズ (The Standells)にドラマーとして参加。脱退後P.J.Probyのバンド・メンバーとして英国をツアー。ブライアン・ジョーンズと交友を深める。米国に帰国後ウォーカー・ブラザーズのスコットとジョンと出会う。ウォーカーズのサウンドが“スウィンギング・ロンドン”にピッタリだとして、ロンドン行きを説得。65年2月ウォーカーズのメンバーとなり、スコット、ジョンと共にロンドンに拠点を移す。その後ウォーカーズは大ヒットを放ち人気グループとなる。スタンデルズ~ブライアン・ジョーンズの流れから想像できるのはゲイリーは生粋のガレージサイケ好きではないか?ということだ。その証拠に1966年の2枚のソロシングル『夜明けに恋はない You Don't Love Me b/w ゲット・イット・ライト Get It Right』『トゥインキ―・リー Twinkie-Lee b/w すてきなあの娘 She Makes Me Feel Better』はどちらもガレージ感覚たっぷりの粗削りなサイケポップ。シングル曲はUK サイケ発掘ものコンピレーションに収録されている。
ウォーカー・ブラザーズは実質的に67年5月に解散しており、ゲイリー・ウォーカーは次の活動のためにレインというバンドを結成した。メンバーは ゲイリー・ウォーカー(ds,vo)、ジョーイ・モランド Joey Molland (g, vo)、ポール・クレイン Charles "Paul" Crane (vo, g)、ジョン・ローソン John Lawson (b)。1968年1月にシングル『スプーキー Spooky b/w いつまでも僕のそばに I Can't Stand To Lose You』をUKポリドールからリリース。2ndシングル『孤独な影 The View』、3rdシングル『マガジン・ウーマン Magazine Woman』、さらに1969年1月リリースの唯一のアルバム『アルバム No.1 Album No.1』は日本のみのリリースだった。68年7月にレインは来日し、ザ・カーナビーツを前座に日本ツアーを行い人気を博した。
アルバムの後69年1月に、UK Philipsからシングル『Come In You'll Get Pneumonia』をリリースしレインは解散。ポール・クレインはプロデューサーに、ジョン・ローソンはハニカムズの後継バンドLaceに加入、ジョーイ・モランドはバッドフィンガーのメンバーになる。ゲイリーは英国滞在許可期間が切れたため米国に帰国。75年に英国に戻りウォーカー・ブラザーズ再結成に参加、78年に再び解散。79年にイギリス人女性バーバラと結婚し、公の場から姿を消し、特殊な樹脂混ぜた砂を使って城や船など様々な模型を作る事業を始めた。2005年に27年ぶりにステージに登場しジョン・ウォーカーと共演。また、2007年にはジョンと共にラジオ出演した。しかし、ジョンは2011年5月7日に死去、スコット・ウォーカーも2019年3月22日に没したため、現在80歳のゲイリーがウォーカー・ブラザーズの最後の生き残りとなってしまった。願わくば長生きしてほしい。

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