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瑪瑙浜のつぶらな瞳の舎利石/メノウ
青森県今別町で採取した舎利石です。 舎利石は《釈迦の遺骨の代用品》として重宝される神聖なメノウであります。 知名度で言えば錦石の陰に隠れがちですが、これもまた津軽半島が古くから誇る名産のひとつ。 僧侶たちが遠路はるばる採取しに訪れるという美しく神秘に満ちた銘石です。 そんな舎利石を珍重するのは石好きたちも同じで、私も度々訪れては昼夜を問わず探し求めてきました。 こちらの舎利石は2点の大きなインクルージョンが表面に露出していました。 まるでつぶらな瞳でこちらを見つめているようです。 舎利石には母岩由来の砂粒が付着していることが多くありますが、これほど「目」が大きく双眼が並んだ個体は初めてです。 これまでのネームド舎利石の中では最小サイズですが、一度見たら忘れられないインパクトのある子です。
鉱物標本 SiO₂ 青森県 三方晶系テッツァライト
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瑪瑙浜の水入りたまご舎利石/メノウ
青森県今別町で採取した舎利石です。 舎利石は《釈迦の遺骨の代用品》として重宝される神聖なメノウであります。 知名度で言えば錦石の陰に隠れがちですが、これもまた津軽半島が古くから誇る名産のひとつ。 僧侶たちが遠路はるばる採取しに訪れるという美しく神秘に満ちた銘石です。 そんな舎利石を珍重するのは石好きたちも同じで、私も度々訪れては昼夜を問わず探し求めてきました。 こちらは大きさ7㎜程度の卵型の舎利石。 卵黄のような中心核が透けており、小学生の頃に作ったぷよぷよ卵を思い出しました。 それだけでもユニークで面白いのですが、この舎利石はなんとまさかの水入り個体。 石を揺り動かすと内部で気泡が転がる様子が観察できます。 この舎利石という石の生成過程を伺い知ることができる貴重な個体です。
鉱物標本 SiO₂ 青森県 三方晶系テッツァライト
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瑪瑙浜の水入り舎利石/メノウ
青森県今別町で採取した舎利石です。 舎利石は《釈迦の遺骨の代用品》として重宝される神聖なメノウであります。 知名度で言えば錦石の陰に隠れがちですが、これもまた津軽半島が古くから誇る名産のひとつ。 僧侶たちが遠路はるばる採取しに訪れるという美しく神秘に満ちた銘石です。 そんな舎利石を珍重するのは石好きたちも同じで、私も度々訪れては昼夜を問わず探し求めてきました。 こちらはまさかの2つ目となる水入り舎利石。 袰月エリアに続き、今回は瑪瑙浜エリアで採取しました。 大きさは直径6㎜程度と袰月個体より小さいですが、透明度はこちらの方が高く内部の気泡が視認しやすいです。 実は現地では水入りだということに気付いておらず、帰宅後の選別作業中にようやく気が付きました。 内部に白濁核らしきものが確認できたためよく観察したところ、その正体は溶液に浮かぶ小さな気泡だったのです。 LEDライトで照らさずとも気泡の動きが見えた時は思わず感動してしまいました。 https://www.instagram.com/reel/C5RuwAfhC-F/?igsh=MTh3MDF2dHhraXg1ZQ==
鉱物標本 SiO₂ 青森県 三方晶系テッツァライト
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瑪瑙浜の"白花豆"舎利石/メノウ
青森県今別町で採取した舎利石です。 舎利石は《釈迦の遺骨の代用品》として重宝される神聖なメノウであります。 知名度で言えば錦石の陰に隠れがちですが、これもまた津軽半島が古くから誇る名産のひとつ。 僧侶たちが遠路はるばる採取しに訪れるという美しく神秘に満ちた銘石です。 そんな舎利石を珍重するのは石好きたちも同じで、私も度々訪れては昼夜を問わず探し求めてきました。 こちらは1㎝ほどの大きさの面長な舎利石。 側面に欠損したような凹みがありますが、割れた訳ではなく形成時からこのような形状だったようです。 このように形が個性的なもので、初見の印象が白花豆でした。 豆型の個体は数あれど、ここまでテーマ性が明確な舎利石はそうそう見つけられません。
鉱物標本 SiO₂ 青森県 三方晶系テッツァライト
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アルマンディンガーネット/鉄礬ざくろ石
1月の誕生石として知られる鉱物ですが,それゆえに一括りにされがちなガーネット。 ガーネットと一口に言ってもその種類は多岐に渡ります。 その中でもこのアルマンディンは鉄とアルミニウムを主成分とする品種で、ガーネット族の中ではポピュラーな存在。 特に断りなくガーネットと言った場合、このアルマンダインを指していることが多いと思われます。 こちらはミャンマーのモゴクで産出した二十四面体の結晶。 結晶形が非常に理想的で、24あるすべての面がほぼ明瞭かつ判別可能です。 鉄分により暗色がかっているとはいえ宝石質の透明結晶はやはり美しく、まさしく果肉に包まれたザクロの種子と見紛うばかりに見事なものです。
宝石 鉱物標本 7.5 Fe₃Al₂(SiO₄)₃テッツァライト
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ツヴィアギンツェバイトwithゴールド/ツヴィアギンツェフ鉱
ツヴィアギンツェバイト。 やや難解なこの鉱物名は、プラチナ金属の研究を専門としたロシアの地球化学者Orest Evgenevich Zvyagintsevに因んで命名されました。 白金族元素であるパラジウムに鉛という組み合わせを主成分とする稀産の元素鉱物で、他にはプラチナ・金・スズ・ビスマス等の不純物を含有することがあります。 こちらは非常に小さい、しかし高貴な煌きで確かな存在感を放つ一石。 ロシア東部ハバロフスクKonderに存在するアルカリ性超塩基性の山塊より採取された結晶です。 そしてIvo Szegeny博士から入手されたという信憑性のある標本であります。 外観上は自然プラチナとそっくりですが、あちらは不純物として鉄分を含有するため磁石に吸着するのに対し、このツヴィアギンツェバイトはネオジム磁石の発する強烈な磁界にも反応を示しません。 このことからこの白銀色の結晶は、不純物の少ない生粋の鉛パラジウム合金であることが分かります。 母岩に接していたのか一部のエッジが緩くなっているのが惜しい点。 しかしその凹部分をよく観察したところ、なんと金と思わしき鉱物が付着していることが分かりました。 嬉しいおまけ付きです。
鉱物標本 4.5 Pd₃Pb ロシアテッツァライト
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ターフェアイト・ハートシェイプ/ターフェ石
ハートシェイプミックスカットが施された可愛らしいターフェアイトです。 重量は1.2ctほどあります。 ライラックカラーの美しい石ですが、特筆すべき点は発見された経緯にあるでしょう。 1945年のことです。 アイルランドの宝石愛好家であったリチャード・ターフェ伯爵が「スピネル/尖晶石」と思しきルースを観察していたところ特異な点を発見。 スピネルと思われていた紫色のそれが、立方晶系のスピネルでは起こり得ないはずの光学現象(複屈折)を示していたことに、氏は違和感を覚えたのです。 その後の詳細な検査の結果、やはり正体は新種であったことが判明。 発見者の功績を讃え、未知の鉱物は『Taaffeite』と命名されました。 このようにカッティングされた石から新種が発見されるなど前代未聞の出来事であります。 おまけにターフェアイトの示す複屈折率など微々たる数値で、とてもではありませんが容易に肉眼判別できるほど劇的なものではありません。 ましてや当時の人々が使用していた検査機器の性能なども、現代のそれと比べたら一体どれほどのものだったのか。 そのような条件下で僅かな光学的差異を捉えた観察眼の鋭さには、ただただ敬服するばかりであります。 ターフェ氏が発見者でなければこの石はどのような名前になっていたのか…あるいは新種と認識されず、長いことスピネルと混同され続けていたかもしれません。 探求の眼差しが、ある一石の運命を変えたことは間違いないでしょう。
宝石 鉱物標本 8~8.5 Mg₃Al₈BeO₁₆テッツァライト
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綱不知海岸の高温石英/ベータクォーツ
青森県の今別町で舎利石探しの傍らに採取した高温石英です。 普通 "水晶" あるいは "石英" と聞いて真っ先にイメージする姿というと、恐らく先端の尖った六角柱の結晶が殆どだと思います。 しかし彼らのように柱面を著しく欠いた特徴的な結晶形の者も存在します。 それが約573~867℃の高温条件で晶出した『高温石英』です。 今別の海での遭遇率はうんと低く、そういった意味では舎利石よりも貴重な存在です。 思えば私が舎利石拾いを始めたのはホームグラウンドである近所の海岸で高温石英を採取していたことに端を発します。 波打ち際の砂利溜まりで高温石英を拾い集めていたときのこと。 ごくごく稀に『表面がブツブツ』『内部に半透明の核を有する』不思議なメノウを発見することがあったため選別して集めていました。 後に詳細を調べたところその特異なメノウは舎利石であることが判明。 感銘を受けた私は舎利石の本場である青森県今別町へ足を延ばすに至ります。 そして憧れの地で舎利石を採取する中、ごくごく稀に遭遇する特異な石英…。 まさかこんなところでも高温石英を拾い集めることになるとは思いもしませんでした。 遠く離れた地でもこの見慣れた両錘十二面体と対面できるのは本当に嬉しいです。
鉱物標本 7 SiO₂ 青森県テッツァライト
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瑪瑙浜の眼球舎利石/メノウ
青森県今別町で採取した舎利石です。 舎利石は《釈迦の遺骨の代用品》として重宝される神聖なメノウであります。 知名度で言えば錦石の陰に隠れがちですが、これもまた津軽半島が古くから誇る名産のひとつ。 僧侶たちが遠路はるばる採取しに訪れるという美しく神秘に満ちた銘石です。 そんな舎利石を珍重するのは石好きたちも同じで、私も度々訪れては昼夜を問わず探し求めてきました。 この舎利石は葡萄の実のような球形でなおかつ天眼のある個体。 天眼の部分には角膜を思わせる膨らみがあるため小さな眼球のようです。 こちらから観察していると常に見つめ返されているような、そんな錯覚を覚えます。
鉱物標本 SiO₂ 青森県 三方晶系テッツァライト
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瑪瑙浜のゼリービーン舎利石/カーネリアン
青森県今別町で採取した舎利石です。 舎利石は《釈迦の遺骨の代用品》として重宝される神聖なメノウであります。 知名度で言えば錦石の陰に隠れがちですが、これもまた津軽半島が古くから誇る名産のひとつ。 僧侶たちが遠路はるばる採取しに訪れるという美しく神秘に満ちた銘石です。 そんな舎利石を珍重するのは石好きたちも同じで、私も度々訪れては昼夜を問わず探し求めてきました。 こちらはゼリービーンのような姿をした飴色の舎利石。 湾曲した独特のフォルムはソーセージのようにも東京ばな奈のようにも見えます。 柿の種らしさもありますがあちらよりも輪郭が丸っこく厚みがありますし、何よりその甘美な色艶からしてやはりゼリービーンの方がしっくり来ます。 やや分かりにくいですが白色の天眼の入った当たり仕様です。
鉱物標本 SiO₂ 青森県 三方晶系テッツァライト
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ウクライナフェナカイト/フェナク石
フェナカイトはケイ酸とベリリウムからなる無色透明のシンプルな鉱物で、美しい個体には研磨が施されます。 シンプルであるがゆえ水晶やトパーズといったクリアな宝石と間違えられることも多いようで、名前のフェナカイトはギリシャ語で欺くを意味する"phenax"から命名されました。 こちらは近年になってよく見かけるようになったウクライナ産のフェナカイト。 国の西端に位置するヴォルィーニ州の出身です。 斧の刃を思わせる扁平な形状にガラスの透明感が特徴的で、どこか儚げな印象を覚える美晶であります。 これまでフェナカイトといえばロシアやミャンマー、マダガスカル産が有名で、かつ柱状の結晶が主流だったため非常に新鮮味を感じました。 私がミネラルショーで訪れた店では、他にもウクライナ産ベリルやトパーズなど高品質で美しい顔ぶれが並んでいました。 これまで見ることのなかった新産地の登場に胸が躍る想いです。
宝石 鉱物標本 Be₂SiO₄ ウクライナテッツァライト
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H海岸の高温石英/ベータクォーツ
とある海岸で採取した高温石英です。 波の作用で摩耗が進んでおり、角が落ちたり完全な球形となった結晶がほとんどです。 ここに形の良いものだけを厳選しました。 普通 "水晶" あるいは "石英" と聞いて真っ先にイメージする姿というと、恐らく先端の尖った六角柱の結晶が殆どだと思います。 しかし彼らのように柱面を著しく欠いた特徴的な結晶形の者も存在します。 それが約573~867℃の高温条件で晶出した『高温石英』です。 H海岸は高温石英の産地としてはまったく無名の地。 ですが周辺の地質環境から見て高温石英が発見できてもおかしくないと思い調査をしてみたのでした。 結果はこの展示のとおりで、ここでもまた素晴らしい結晶に出会うことができました。 一粒だけ気になる個体があり、なんと結晶内部に黄色く蛍光するインクルージョンを内包していたのです。 水磨作用により表面が磨りガラス状になっているため内部を覗き見ることができませんが、たしかにブラックライトに反応する包有物が確認できました。 真っ黒な個体に続き、今度は蛍光物質を含む高温石英の発見ときました。 国産の高温石英も奥が深いです。
鉱物標本 7 SiO₂ 日本テッツァライト
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袰月海岸のビタミン舎利石/カーネリアン
青森県今別町で採取した舎利石です。 舎利石は《釈迦の遺骨の代用品》として重宝される神聖なメノウであります。 知名度で言えば錦石の陰に隠れがちですが、これもまた津軽半島が古くから誇る名産のひとつ。 僧侶たちが遠路はるばる採取しに訪れるという美しく神秘に満ちた銘石です。 そんな舎利石を珍重するのは石好きたちも同じで、私も度々訪れては昼夜を問わず探し求めてきました。 こちらはみかんを剥いたような白い薄皮が残る舎利石です。 これまで採取した舎利石の中では最大級にして綺麗なオーバル型のカーネリアンです。 薄いですがオレンジ色をしておりコロンとした形も相まって肝油ドロップのようです。 指で摘んで眺めているとそのまま口に放りたくなるくらい美味しそうな質感です。 舎利石は、心のビタミン、見るサプリ。
鉱物標本 SiO₂ 青森県 三方晶系テッツァライト
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瑪瑙浜のしずく舎利石/メノウ
青森県今別町で採取した舎利石です。 舎利石は《釈迦の遺骨の代用品》として重宝される神聖なメノウであります。 知名度で言えば錦石の陰に隠れがちですが、これもまた津軽半島が古くから誇る名産のひとつ。 僧侶たちが遠路はるばる採取しに訪れるという美しく神秘に満ちた銘石です。 そんな舎利石を珍重するのは石好きたちも同じで、私も度々訪れては昼夜を問わず探し求めてきました。 こちらはなんとも瑞々しい姿をした舎利石。 片端が細った独特なフォルムは虚空に放たれたひと雫のようであります。 きっと寒空のもと海辺を探し続けた汗の結晶なのかもしれません。
鉱物標本 SiO₂ 青森県 三方晶系テッツァライト
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トーライト/トール石
黒褐色味を帯びたこの結晶は人類にトリウムの発見をもたらした鉱物です。 90番目の元素であるトリウムは1828年にスウェーデンの化学者イェンス・ヤコブ・ベルセリウスによりこの石から見出され、北欧に伝わる雷の神トールに因み命名されました。 そしてトリウムを含有していたこの鉱物には「トーライト」という名称が与えられます。 北欧神話随一気性が激しかったという戦神の名を冠するだけあって、この石にもまた荒々しい放射性が備わっています。 トーライトが含有するトリウム核種は、おそらく天然存在比99.98%かつ半減期140億年の『トリウム232』。 従ってこの石が発する放射線は、トリウム232がラジウム228へ壊変する際に放出されるα線。 そしてラジウム228から鉛208へ至る壊変過程で放出されるα線とβ線が多くを占めていると思われます。 放射性鉱物…そんな危なっかしい代物を一般人が所持していて大丈夫なのかと不安視される方もおられるかもしれません。 そこで簡単ではありますが以下のようなリスク評価をしてみました。 まずトリウム232が放つα線エネルギーには4.012MeVまたは3.950MeVの2パターンがありますが、これらは空気中を数cm進むことが精一杯な強度であるため、人間の皮膚に到達しても表面の不感層70μmを通過することができません。 よってα線による外部被ばくを考慮する必要はありません。 次にトリウム232の子孫核種が放っているβ線について。 β線は皮膚の中を数mm進むことができるもののやはり透過力が弱く、薄い金属板で遮蔽することができます。 従って常に肌身離さず装着しているならまだしも、ケースに入れ十分な離隔をとって保管しておく分にはβ線の影響もそこまで心配する必要はないと思います。 「触らぬ神に祟りなし」と言っていてはこの石と触れ合うことはできませんから、「時間」「距離」「遮蔽」の3つを心掛け楽しく安全に愛でて参りたいと思います。
鉱物標本 4.5~5 (Th,U)SiO₄ パキスタンテッツァライト