80年代後半 バリーニ別注 ハーロウ

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ミラノのビスポーク工房、バリーニ別注のハーロウHARROWです。ラスト61、ソールは大きめのブロック体刻印です。80年代後半の製作です。バリーニは70年代からグリーンに既成靴のオーダーを掛けています。このアンラインドのローファーは軽く履き易いということでは最高の靴で、一度履いたら病みつきになります。

画像4-5枚目は旧グリーンの「ローファー三兄弟」。左80年代半ば製作のナイツブリッジ、中央は90年頃製作のロイド別注モンペリエ、そして左がこのハーロウです。

https://lastmagazine.jp/?p=4407

https://muuseo.com/shinshin3/items/298

1980年代前半製作 アンラインドローファー BRUTON 黒
1980年代前半の製作と思われるアンラインドローファーBRUTONです。グリーンの「ハーロウHARROW」に非常に似ています。ラストは93という初めて聞くものです。Uモカ部分はスキンステッチである「ライトアングル」で縫われていますが、爪先はハーロウと違い手縫いのスキンステッチではなく機械縫いになっています。スキンステッチはエドワードグリーンでも技術の高さを誇る代表的な技法と言われていますが、ここで見られるハイレベルのスキンステッチは、チャーチの職人さんが「何でもできる」ことを示しています。ただこれだけ技術の高さがあるなら「爪先もハンドで縫ってよ」と言いたくなります。アッパーは上質な「アニリンカーフ」です。ハーロウより少しだけソールが厚いので、軽快感ではハーロウに一日の長があります。 靴はイギリスのゴードン・スコットGORDON SCOTTの別注で、ロンドン、ニューヨーク、パリ三都市の刻印があります。ヒールトップの内側のアゴを削って(画像8枚目の右下赤丸部のように、尖った部分の角を落とすということです)、足を組んだ時にスラックスに踵が当って生地を傷めないような工夫がなされていますが、通常ラインのチャーチではあまり見られない仕様です。ヒールトップの赤いペンキの様な塗装も古いチャーチならではです。 この靴は大変履きやすく魅力的なのですが、残念ながら写真だけではなかなか真価が伝えられません。 https://muuseo.com/shinshin3/items/299
https://muuseo.com/shinshin3/items/298

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