明治21年(1888年)製作 四寸手提重

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先日入手した明治21年製作の四段の手提重です。重箱の大きさは四寸ほど、高さは取っ手を含め八寸と小型のものです。中には小分け用の組板が付属しています。変り塗は松葉と檜葉を用いたものですが、名称が分かりません。
内も底も黒漆ですが湯焼けがかなり進んでおり、相当使われた漆器なのでしょう。外側の傷みはあまり見られず、大切に使われてきたことが伺え私も嬉しくなってきます。140年近く前のお正月の光景が目に浮かびます。

先日明治生まれの男性が亡くなられ、日本に明治に生を受けた男性は一人もいなくなりました。私が子どもの頃はまわりに明治の方はたくさんいらっしゃいました。本当に「明治は遠くなりにけり」、何だか切ないです。

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