三ツ矢印平野水／MITSUYA HIRANO No.0065

片面には「三ツ矢印平野水」、もう片面には「MITSUYA HIRANO」と陽刻された明治時代の栓抜きです。
「三ツ矢印平野水」は三ツ矢サイダーのルーツとなった炭酸水です。

明治時代に兵庫県川辺郡多田村字平野（現在の兵庫県川西市平野）の天然鉱泉水を使用した炭酸水の御料品工場が作られました。
立石勝規著「126年！ なぜ三ツ矢サイダーは勝ち抜けたのか」（ISBN978-4-06-281398-3）によれば、名称とメーカーの変遷は以下の通りです。

平野水　1884年（明治17年）・平野鉱泉は宮内省管理
平野水　1887年（明治20年）・三菱社
一本矢鉱泉　1889年（明治22年）・明治屋
三ツ矢印平野水　1889年（明治22年）・明治屋
三ツ矢印平野水　1905年（明治38年）・三ツ矢平野鉱泉
三ツ矢印平野シャンペンサイダー　1907年（明治40年）・帝国鉱泉
三ツ矢シャンペンサイダー　1909年（明治42年）・帝国鉱泉
三ツ矢シャンペンサイダー　1921年（大正10年）・日本麦酒鉱泉
三ツ矢シャンペンサイダー　1933年（昭和8年）・大日本麦酒

「三ツ矢印平野水」の名称が使われていたのは1889年（明治22年）～1907年（明治40年）頃のようですので、その頃の栓抜きと思われます。
全体が錆に覆われるとともに、鋳造時にできたバリ（不要な突起）が目立ち、時代を感じさせます。

【1000nuckeyの栓抜きコレクション】
1000nuckey.comにて、型別、企業別、時代別等に整理して紹介しています。
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