天保八年(1837年)作 七寸手提重 「高雄」

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天保八年(1837年)作の七寸の手提重です。変り塗は檜葉と菜種を使った「高雄」という模様です。若干ですが塗りが剥がれています。内外とも黒漆ですが、湯焼けは全くありません。木地の狂いも見られず、器胎としては素晴らしい仕上がりです。

粗末な出来の共箱ですが、底に「天保八酉年九月新調 袋町角 大橋造」という書付があります。「袋町」という名称の町は江戸期の小濱にはなかったことを小浜市役所の方に伺って確認しました。どこの町にあったのかという疑問が、残念ながら解けていません。ただ製作年、作者名(名字だけですが)が判る貴重な作例です。

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