1983-1985年頃製作 ロイドフットウェア別注 ノルヴィージャン ”773”

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1983-1985年頃の製作と思われるロイドフットウェア別注のノルヴィージャンシューズです。ロイド自体は1980年創業ですが、最初期からグリーンに別注はしていなかったと思われます。ライトアングル、爪先のスキンステッチなどドーバーのスタイルに似ていますが、カッティングが明らかに違っていて、こちらは"773"と言われる型になります。ラストはセミスクエアトゥの33で、ワイルドスミスが古くから別注を掛けていたのと同じ靴です。ハーフミッドソール仕様で、ヒールトップは化粧釘一列のラバー無しです。アウトソールの刻印は小さなブロック体です。

ロイドがこの靴の別注を掛けていたのは慧眼だったと思いますが、「ドーバー」とはフルスティック氏が経営を始めてから作り出された靴のようです。ドーバーの誕生(おそらく1986年頃)以降、この773は作られることがなくなります。カッティングは明らかに773の方が面倒だと思います。パーツが多くなれば縫う部分も増えるからです。ドーバーと並べてみての個人的な印象としては「ドーバーの方がスッキリしている」ように見えます。773はコバの張り方も強烈ですし、「ごつい靴」という感じがします。ただこうした男臭い靴もまた良いものだと私は思います。

雨水を吸ってアッパーには膨れや亀裂も生じ始めているので、大事に手入れをしていこうと思っています。

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