つわものどもが夢の跡 ~ 160年の歴史 ワイルドスミス

初版 2024/09/13 22:07

改訂 2024/09/13 22:38

1847年創業のワイルドスミス。2004年9月に惜しまれつつ閉店しました。

創業者のマシューさんと奥様のレベッカさん。

1924年、いまからちょうど100年前のバウチャーです。

1960年代の店舗。

1960年代のワイルドスミスの新聞広告です。

店内にはケイリー・グラントのラストがありました。顧客にもこうしたスターは多かったようです。

これは1967年のデビッド・ニブンの注文票。送り先は20世紀フォックスになっています。ラストはセミスクエアの33が多いです。ということは彼の靴はほとんどグリーン製だったということですね。サイズは11。でかっ!!

20世紀初頭のブーツツリー 17Jermyn street ワイルドスミス | GreenMile Laboratory | MUUSEO My Lab & Publishing

https://muuseo.com/shinshin3/diaries/178

グリーン参る

閉店を決めた2004年のジョン・ワイルドスミスさん。写真で見る限り、どちらの靴もグリーン製ではありません。

1989年当時の5代目ジョンさん(右)、6代目フィリップさん。(ブルータスより)

1988-1989年製作 アンラインドローファー ハーロウ 黒

https://muuseo.com/shinshin3/items/286

グリーン参る

The Wildsmith Loafer
ワイルドスミスを一躍有名にしたのがこのローファーです。ウィキペディアでその出自を説明されているローファーはこの靴だけではないでしょうか。まもなくこの靴がデザインされてから100年が経過します。
In 1926 Matthew and Rebecca Wildsmith's grandson, Raymond Lewis Wildsmith, made a bespoke country house shoe for King George V, to be worn inside with his shooting hose. From there, the design was evolved to be a casual style for outdoor wear which was then included in their ready to wear collection. The shoe was first called the 582, then the Model 98 until finally becoming known as "The Wildsmith Loafer". This was London's first introduction to the English loafer, a version of the generic slip-on shoe. The style continues to be sold to this day as the Windsor Loafer.

ロイヤルファミリーからの注文があることは、このオーダーシートからも一目瞭然です。ここには1983年から1997年までのプリンス・オブ・ヨーク公(アンドリュー王子)からの注文が書かれています。注文先の住所が「バッキンガム宮殿」(笑)。

ワイルドスミスの婦人靴は「1989年から製作を再開した」ということですが、実際インソックがワイルドスミスのスタンプになっている婦人靴をたくさん見ました。

ワイルドスミス インソック

https://muuseo.com/shinshin3/items/94

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BRUTUS(1989年)に紹介されていた「フルブローグ三姉妹」£220。4アイレットです。

同じくBRUTUSに載っていた婦人靴👞。

1980年代のワイルドスミスのビスポークフルブローグ。

ヒールトップも修理しました。

1920年代 ワイルドスミス コードバン製ビスポークブーツ

https://muuseo.com/shinshin3/items/167

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ほぼ100年前の靴というのがすごいです。

戦前 ワイルドスミス ビスポークキャップトゥ | MUUSEO (ミューゼオ)

https://muuseo.com/shinshin3/items/89

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ここからは手持ちのワイルドスミス別注グリーンです。

1970年代 ワイルドスミス別注ハンドウェルト プレーントゥ

https://muuseo.com/shinshin3/items/88

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1960年代製作 ワイルドスミス別注 フルブローグ

https://muuseo.com/shinshin3/items/199

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80年代後半 ワイルドスミス別注フルブローグ

https://muuseo.com/shinshin3/items/69

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70年代後半 ワイルドスミス別注 カドガン

https://muuseo.com/shinshin3/items/73

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70年代後半製作 ワイルドスミス別注 フルブローグ

https://muuseo.com/shinshin3/items/113

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1984-1985年頃製作 ワイルドスミス別注 フルブローグ

https://muuseo.com/shinshin3/items/155

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1986-1987年前後製作 ワイルドスミス別注 レディース コンビフルブローグ

https://muuseo.com/shinshin3/items/173

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上と似た靴ですが、白とチェスナッツのパターンが違います。

こちらはコンビのサドルシューズ。

1960年代製作 ワイルドスミス別注 アンラインドローファー

https://muuseo.com/shinshin3/items/466

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1960年代後半? ワイルドスミス別注 エラスティックスリッポン 720

https://muuseo.com/shinshin3/items/154

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1970年代製作 ワイルドスミス別注 パテントサイドエラスティック 962

https://muuseo.com/shinshin3/items/108

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1988‐1989年製 ワイルドスミス別注 エラスティックスリッポン

https://muuseo.com/shinshin3/items/106

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1984-1985年前後製作 ワイルドスミス別注 ウィグモア WIGMORE

https://muuseo.com/shinshin3/items/304

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1988年年頃製作 ワイルドスミス別注 タッセルスリッポン

https://muuseo.com/shinshin3/items/178

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1970年代後半製作 ワイルドスミス別注 ノルヴィージャンダービー ”406”

https://muuseo.com/shinshin3/items/385

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70年代 ワイルドスミス別注 ノルヴィージャン "773"

https://muuseo.com/shinshin3/items/39

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1970年前後 ワイルドスミス別注 ノルヴィージャン "444"

https://muuseo.com/shinshin3/items/127

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どの靴もワイルドスミスならではの拘りがあってとっても魅力的。良い靴屋がどんどん減っていって寂しいです。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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