『新車年鑑1989年版』より
こんにちは。 国鉄からJRへと新たな歩みを始めてから1年が経とうという春。青函トンネルと瀬戸大橋の開通によって、北海道・本州・四国・九州は全てレールで繋がる「一本列島」となりました。そして、JR各社にはそれぞれの個性を映し出した車両がデビューし始め、対する民鉄にも新形車両が続々とお目見えし、日本の鉄道界には空前の新車ブームが訪れたのです。 ※表紙写真形式雑感 ①JR西日本クロ212形「パノラマカー」 瀬戸大橋の開通に伴い、岡山・高松間を結ぶ快速列車に連結されることとなったグリーン車。前面・側面とも眺望性を重視した造りであり、尚且つスピード感も感じさせるスタイルとなったことで、編成を組む213系電車との外観的な不揃いさを打ち消して余りある程の人気列車となった。 ②JR九州 #783系 電車 都市間連絡バスの台頭が目に見えていた九州島内において、これに対抗すべく登場した特急電車。JR化以後に新たに設計された車両として、その先陣を切る存在であると共に、国鉄時代からの特急電車のイメージを打ち破ったことで大きく注目された。短編成化への対応として、中央に乗降口を備える1車両2室式の造りも画期的である。 ③JR北海道 #721系 電車 札幌都市圏の旅客輸送にも3扉車の導入は不可欠との判断の下で登場した近郊型電車で、冷暖房可能な空調装置を備えたり、乗降口と客席は全て仕切られたりする等、独特の装備に地域性が現れている。シンプルにまとめられた外観とは対照的な室内配色が採用されたことも話題を呼んだ。 ④ #近鉄21000系 電車「アーバンライナー」 特急運転開始40周年を機会に、名阪ノンストップ特急用に特化した外観と内装を備えて登場した。本来6両編成であるところ、減車して4両編成でも運転可能な設計としてあるが、「アーバン現象」なる語を生む程の人気車両となった。小田急の“HiSE”やJR九州の“ハイパーサルーン”、JR東日本の“スーパーひたち”等と合わせ、この時代の日本の鉄道を代表する車種と言えよう。 ⑤ #営団地下鉄03系 電車 日比谷線において20年を超える車齡となった非冷房車両・3000系電車の置換え用として登場。課題であった冷房化と排熱の少ない制御方式の採用はもちろんのこと、アルミニウム合金製車体の工法の進化により、外観も大幅に向上。地下鉄車両の冷房化が推進される契機となっただけでなく、地下鉄のイメージアップにも大きく貢献した形式である。 #図書室 #鉄道ピクトリアル #新車年鑑
db108
2020/12/12表紙の昭和最後の特急形783系電車が目立ちますね。
自分も一度だけハイパーかもめ号で乗りました。
そしてNNキハ183系550番台は昭和最後の特急形気動車でしたね。
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Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
2020/12/17 - 編集済み返信が遅くなりました。ごめんなさい。_(._.)_
傾斜が強調された前面、ステンレス製の車体、私鉄特急のような愛称の命名・・・783系は、国鉄時代からの「これが特急形電車」という固定観念を大きく崩し、“新生JR”を象徴する存在になりましたね。
Nまたは新183系とも称される500・1500番代に十分驚かされたのも束の間。そのまた改良型として550・1550番代が登場したわけですが、裏を返せば、道内都市間連絡バスとの激しい競争に晒されてゆく北海道の特急列車の実情を反映したものだったのかも知れません。
さて、そんな北海道の主役になったキハ183系ですが、九州に現れた前面展望型で電車との協調運転を行える新車もまたキハ183系の一派となったほか、「A・C・E」以来既存車両の改造で賄っていた北海道のリゾート気動車がついに新車となるや、こちらもまたキハ183系の一族となる等、趣味的な面白さという点でも一気に加速したのがこの頃のキハ183系でしたね。
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