丹生俣球状岩(仮称)

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記載論文なし

花崗閃緑岩~石英閃緑岩中に球顆が密集しています。球顆は小型でほぼ真球状(1)と、やや大型で楕円体(2)の2種に区分できます。
(1)タイプは、中心に向かい粗粒な傾向はありますが明瞭な核は観察されず、若干の色の違いにより、同心球状が認められます。鉱物構成に違いは見られません。マトリックスは粗粒な角閃石の結晶を含むペグマタイト質です。
(2)タイプは、母岩の組織に近い粗粒な核が確認できます。核と外殻は相似しており、極めて細粒な外殻と内核の境界は漸移するようにも見えます。マトリックスは母岩に比べ粗粒です。
目視ですが、中心部の晶出速度の違いはありますが、(1)(2)の成因に大きな違いはないような気がします。
産地周辺には花崗岩質マイロナイトが分布していますが、球状岩を含む母岩との位置関係は不明です。

《コラム》
この地は大阪と伊勢神宮を最短距離で結ぶ伊勢本街道、R422、北畠氏の居城の地として古くから交通・地域の要所として栄えてきました。球状岩の産地にはその珍しさから石にまつわる伝説やエピソードが伝聞されることも多いのですが、MieMuから地元丹生俣や北畠神社に問い合わせて頂いたところ皆無でした。想像するに、近年の工事や災害により露出したのかもしれません。

#丹生俣球状岩

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