吉祥川球状花崗岩

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球状花崗岩は球顆顆部とそれらの間を埋める充填部とに区分できる。球顆部は内核、樹枝状部および間質部からなる。
【内核】中に石英・斜長石・黒雲母を含む、自形ないし半自形のアルカリ長石の場合がほとんどである。
【樹枝状部】内核から充填部に向かって放射状に伸びたアルカリ長石の大晶。
【間質部】樹枝状アルカリ長石の間を埋める細粒黒雲母花崗岩。
【充填部】ペグマタイト質ないし粗粒の黒雲母花崗岩であり、部分的に晶洞が出来ている。
<”滋賀県大津市田上山における球顆花崗岩の新露頭の発見”から要約>

田上、沖美、猿投の球状花崗岩は酷似しています。これは形成のメカニズムが同じである事を示しています。

《コラム》
田上山は太神山、笹間ヶ岳、国見山、堂山など標高400mの比較的低い山の総称です。湖南アルプスの愛称で近年の低山ハイキングの人気エリアでもあります。万葉の時代には立派な木の繁茂する森林だったのが、後の伐採により、はげ山になってしまいました。明治期にヨーロッパ風土木工法による砂防工事が行われ、鎧ダムの下には当時の空石積が埋もれています。植林により、40年前私が訪問した時点より緑緑している感じがします。その分ペグマタイトを見つけることが難しくなってきています。

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#田上

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