峰寺山球状花崗岩

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球顆の形態は扁平な楕円体で、大きさは長径5~9㎝、短径3~5㎝、厚さ1.0~1.5㎝。球顆は更に菫青石を主とする外殻(shell)と黒雲母を主とする内核(mccleus)に区別される。
【内核】底面におおむね平行に集合した片理状構造の黒雲母が大部分を占める。
【外殻】主として菫青石からなり、球の内核の外側より外方向に向かって放射状に配列する。
【充填岩】組織は花崗岩状。
マグマが堆積岩と接した時、破片がマグマに取り込まれ、溶け残った内核が独自に再結晶する。内核の片状組織は粘板岩の層面と関係があると考えらる。外殻は菫青石が内側から外側に向けて結晶した。残った残液は極めて珪酸分に富み花崗岩質になった。
<”峰寺山産球顆岩石の岩石学的性質””峰寺山産球顆岩石の科学的研究”から要約>

論文に記述されているように外殻が菫青石で構成されることが特徴的で、このことが球顆の由来が粘板岩系の堆積岩である理由となっています。
外殻と充填岩の接点(リム)についての指摘が論文にはありません。雲母のへき開面を球面に平行にして球顆が包まれています。これが露頭から球顆を分離脱落させる理由となっているのですが、毛無山・隠し洞・周防大島などにも見られる特徴となっています。充填部から完全に独立した球顆を形成する上で、この組織の成因は重要と考えています。

《コラム》
モノ日記に”コレクターの汚点”として書いたのですが、地元では珍しい”小判石”の名で親しまれていたようです。供養塔や庭石、鑑賞石として保管されているみたいです。高峰山産と思われる芦穂の二十三夜講の供養塔や雑貨店の庭石はかなり立派なものです。

#小判石
#峰寺山球状花崗岩

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