白石球状閃緑岩

0

中心の黒い部分を(core)、これを取り巻く白い部分を(shell)と呼ぶ。球状部はおおむね球形をしているが、球状部ごとの形態の違いは中心部の形に依存している。球状部の大きさは直径5~20㎝までの範囲に収まる。
【中心部】直径2~5㎝、肉眼で黒く見え、主に角閃石に富み、斜長石・緑泥石が存在する。角閃石の結晶の配列に規則性はない。
【殻】白色を呈し、斜長石の柱状結晶が中心から外に向かって放射状に配列している。また、殻が内殻と外殻の二層からなる球状部も見られる。
【マトリックス】球と球の間のマトリックスは普通角閃石と斜長石からなる不均質な斑レイ岩である。
【母岩】比較的均質な花崗閃緑岩である。
<”宮城県白石産球状岩”から要約>

論文では、球状岩の形成過程を時系列で推測しています。殻の成長を「球は浮き沈みしながらマグマの中を漂っていた」と記述があり、私が考える入道雲の中のヒョウが成長するイメージに近い、つまり、浮遊する場所のマグマの組成・環境により晶出する鉱物の違いが生まれ、均衡が崩れた時点で一気に沈殿堆積したため、ほぼ同じ大きさで同じ形態の球顆が集合したのではないかと考えています。均衡を崩す要因としては、温度・圧力・時間・組成など複雑に関係していると思っています。

《コラム》
白石の球状岩は江戸時代滋賀県に住んでいた木内石亭が書いた雲根誌という書物にナンダモンダという名前で登場します。見てくれが理解できない石という意味でしょう。
白石市犬卒塔婆にはこの石をご神体に祀る菊面石神社があり、由来が言い伝えられています。赤坂の乃木神社には奉納された白石産菊面石が鎮座しています。人を引き付ける何かがある石です。

#菊面石
#白石球状閃緑岩

Default