レコード音樂 1934(昭和9)年 1月1日 一月號 第八巻 第一號

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「レコード音樂」誌 1934(昭和9)年 1月1日 一月號です。

美麗ポートレイトと「レコードアーティスト訪問」という企画で"物言はぬ少女提琴家 諏訪根自子嬢"と題された、父 順次郎氏と共にインタビューに応えておられます。

しかし、

只のインタビューではなく筆者さんが臨席された日本青年会館でのデビュー演奏會の事からシュメー女史との事まで、興味深いシーンが盛り込まれており5ページに及ぶ特集は大変読み応えのあるものと相成っている。

…しかしインタビューの方は、殆ど父、順次郎氏が応えられており、'物言はぬ'は文字通り口数少ないからなのか?父が饒舌過ぎる所以なのか?それとも反抗心の様なものがあったのか?兎に角、最後のインタビュアーさんの「好きなものは?」の問いかけに対する無邪気な回答くらいしか見出せない。

*音楽に於ける天才少女概念
*国内のアーティスト紹介の第一弾
*日本青年館での感激の坩堝の様子
*野村光一氏のレビュー
*帝国ホテルに於けるシュメー女史の歓迎会にて

*順次郎氏のインタビュー
・文部大臣を前にしても口をきかない
・生い立ち
・ジンバリストを聴きに行った後の興奮と幼い決意
・小野アンナ/モギレフスキー(トラブル)
・ジンバリストと会う
・渡欧の計画、この時はパリ…
・病状
・レコーディング

・新響とのコンチェルトを一曲吹き込む計画があった!

・現在、学校には行かず個人教授で外国語等を学んでいる

そして冒頭のインタビュアーさんの最後の問いかけに対する唯一の根自子さんご自身の回答・・・

「絵をかく事が好き。それから刺繍・・・」

「いや、召し上がる物で・・・」(インタビュアー)

「くだもの!くだものなら何でも。蜜柑、林檎、葡萄、無花果、柿、栗・・・」

これが唯一の彼女のことばです。

そして、最後に最も興味深い記述が!

"申忘れましたが、今根自子さんが使用してゐるヴァイオリンは鈴木政吉翁の作品です”

とありました。

3枚目の写真のカットは九州帝國大学のバルコン(バルコニー?)にて

#諏訪根自子 #nejikosuwa

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