ブラジルの音楽 サンバマクンバ 原住民の民謡

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衝撃的なジャケである
まさに「グロ 閲覧注意」案件だ

レコードの新譜が¥2500した時代、当時の通貨レートを考えても決して安いとは言えない金額だ
女と付き合えばデート代に、車を持てばドレスアップにと収入をレコードに割く割合も決して多い訳ではなかった
それでもレコードが欲しい、新たな未知なる音楽を聴きたい… そんな欲求に優しく応えたシリーズがこの廉価盤の一連の民族音楽モノだったのだ

地元の少し大きめなレコード店に行くと量は少ないながら一応民族音楽のコーナーが独立していてこのポリドールやキングのシリーズが全種類とは言わなくても一定数は確保されていた、インド音楽やガムラン辺りはロック系経由で耳にはしていたもののその他の国々の音楽は未知なものが多い訳でそこで得意のジャケ買いの登場である。
少ないながらも今までの経験と感性を駆使して慎重にセレクトするわけだ、やはりまずはインパクトのあるキョーレツなジャケに目がいってしまうのは若気の至り、真っ先に手にしたのがこの「ブラジルの音楽」である 

ジャケに映る気持ち悪いメイクをした男に初期ジェネシス時代のピーターガブリエル的な物を感じ「この男が歌う音楽なら間違いないだろう」期待を込めながらレジに差し出す、レジの姉ちゃんには「こんなすごいジャケのレコードを買う俺って凄いだろ?」的な虚栄心もなかったと言えば嘘になる。
帰って早速後日通勤の車の中でも聴けるようにカセットテープへの録音作業だ。インデックスカードに曲名を描き写しながら聴き進めるわけだけどこのジャケの男が歌っている訳ではないと気がつくのに大した時間はかからなかった。やや強引にブラジル括りでサンバから原住民の歌や楽器演奏など様々なパターンが雑多に詰め込まれている感じだ、その上ラジカセでライブ録音したようなひどい音質である、
咳き込みながら歌う原住民や上手いか下手なのかよくわからない笛の演奏、町の喧騒や話し声、風や波等の自然音が普通に無神経に混ざり込む…そこらへんの村祭りの模様を遠巻きに録音したようなライヴ感、臨場感は確かにあるのだが今まで比較的普通にスタジオで録音された音楽を聴いて来た身にはジャケ同様衝撃的な体験だった。そしてそれがけっこうな中毒性を伴い次はアレ、次はコレとカタログや帯についている製品ラインナップと睨めっこしながら購入作品を予め吟味し翌週またレコード店へと繰り出す訳なのである。

人文化の記録としての民族音楽をもっと大衆に広めたい… 小泉文夫、中村とうようらの悲願はしっかりと確実にひとりの若者に伝わったのであった!

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