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- 角川書店 角川文庫 横溝正史読本 第1期
角川書店 角川文庫 横溝正史読本 第1期
昭和五十四年一月五日 初版発行
発行所 株式会社角川書店
昭和50年(1975年)から昭和51年(1976年)にかけて雑誌「野性時代」「短歌」に4回に渡り掲載された横溝正史と小林信彦の対談「横溝正史の秘密」を中心に、昭和22年(1947年)に雑誌「真珠」「ロック」に掲載された横溝正史のエッセイ「探偵茶話」、そして、昭和22年(1947年)に雑誌「宝石」に掲載された江戸川乱歩の作品評「『本陣殺人事件』を評す」や昭和25年(1950年)に雑誌「新潮」に掲載された坂口安吾の作品評「『蝶々殺人事件』について(「推理小説論」)」、昭和24年(1949年)に雑誌「別冊宝石」に掲載された高木彬光の作品評「『獄門島』について」などを資料として併録した「横溝正史読本」。
様々な角度から“横溝正史”の魅力に迫った内容で、読み物としてはもちろん、日本探偵小説史の資料としても価値ある一冊ですね。とにかく日本のサブカルチャーの先駆者であり、ミステリーマニアの編者・小林氏の博識ぶりが遺憾なく発揮されている対談が良いです。氏に引っ張られる形で横溝正史がノリに乗って語っているのがやり取りから凄く伝わってきます。横溝作品、いや、海外も含めた古典ミステリーを読む際の副読本として、これからも読み継がれてゆく本だと思いますね。昭和51年に単行本が刊行されたのち、角川文庫には昭和54年(1979年)に収録されました。
画像は昭和54年(1979年)に角川書店より刊行された「角川文庫 横溝正史読本 第1期」です。横溝正史と黒猫を侍らせている妖しい女。おどろおどろしく陰影をつけて描かれている横溝正史が素晴らしいですね。写真と見間違わんばかりのリアルなタッチで、杉本画伯の技量の高さを改めて実感します。
第1期(初版)の装丁は表紙枠・背表紙が赤で、以降の版から黒に変更されました。
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