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角川書店 角川文庫 幽霊男 第1期
昭和四十九年五月三十日 初版発行
発行所 株式会社角川書店
昭和29年(1954年)に雑誌「講談倶楽部」に連載された横溝正史の長編小説「幽霊男」。
東京・神田神保町の裏通りにあるいかがわしいヌードモデル仲介業者「共栄美術倶楽部」に、ある夜、歯が3本しかない異様な風体の男が現れた。幽霊男と称するその怪人物はモデルの派遣を依頼するが、モデルの女は派遣先から忽然と姿を消した後、駿河台のホテルの浴室で惨殺死体となって発見された。そして事件はそれだけにとどまらず、「共栄美術倶楽部」に所属するモデルたちが次々と殺されてゆく...
ヌードモデルの女たちを次々に殺害してゆく神出鬼没の怪人、幽霊男と名探偵・金田一耕助の対決を描いた、横溝正史のいわゆる“通俗モノ”と呼ばれる作品の一つですね。エログロ・猟奇・名探偵対怪人...、もう、まさに“通俗モノ”の代表格、江戸川乱歩の「蜘蛛男」を彷彿させる作劇の作品ですが、そこは横溝正史、しっかりと“フーダニット”の骨格は保っていますので、二段構えになっている犯人の正体には流石と唸らざるを得ませんでした。角川文庫には昭和49年(1974年)に収録されました。
画像は昭和49年(1974年)に角川書店より刊行された「角川文庫 幽霊男 第1期」です。裸婦とモデル風の女性。まるで幽霊男の毒牙にかかってゆく女たちを具象化したような雰囲気の表紙画です。
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