ベンベーな時代。
初版 2020/06/27 23:50
改訂 2021/01/11 00:06
かつて男の子達の興味が「クルマ」に集約された時代が有った。
1975年。遂にその熱気が最高潮に達した時に、その熱気を帯びたブームの事を人はこう呼んだ。
「スーパーカーブーム」と。
少年達の熱気は、テレビのクイズ番組やスーパーカーショー等と言うイベント迄もが開催される事となり、間違い無くこの時代のクルマは「夢のスーパーカー」として、世の全てと言っても良い程の男の子達の関心の対象だった。
凄かったのは、レコードで色々な世界の名車のエンジンの始動音を順に流して行き、どのクルマのエンジン音かを当てる、クイズ形式のレコード迄発売されていた記憶が有る。
当時まだハナタレ坊主だった糞ガキの私が着ていた、兄からのお下がりのサテンのスカジャンのバックにはデカデカと「ランボルギーニ・ミウラ」の刺繍が施されており、それを喜んで着ていた記憶すら有る(笑)。
そんな熱い時代のスーパーカーの1つに「BMW3.0CSL」と言うのが有った。
「注:上記画像の物は、後期型のパワーアップバージョンの3.5CSLです。」
これがそのBMW3.0CSLのパワーアップバージョンの3.5CSLと言う、レーシングホモロゲーションマシーンだ。
このブタっ鼻!そしてこれでもかとデコレーションされたスポイラーやウイングの数々。
当時はこのクルマをBMW「ビーエムダブリュー」等とは誰一人呼ばなかった。
この強烈に主張するブタっ鼻のド派手なワークスマシーンこそ、スーパーカーブームの中でも少年達の間で人気の一台だった「ベンベー」と呼ばれた、ドイツの誇るポルシェ930ターボと双璧を為すスーパーカーなのだった。
ヨーロッパツーリングカー選手権の情報等知る由もない当時のハナタレ坊主の私にも、このベンベーから発散される強烈な個性にシビレた物だった。
このベンベー3.0「3.5」CSLには弟分のブタっ鼻のベンベーがおり、それが又強烈な顔付きで一度見たら忘れられない顔付きだったのだ。
「BMW2002ターボ。」
世界初の量産ターボ車両として、このクルマは世に残った名車の一台で有るのだが、当時のハナタレ坊主の私にはこのクルマの強烈な印象として、当時兄貴にこう訪ねた記憶が有る。
「兄ちゃん!何なん?
この研ナオコみたいな顔のクルマ(笑)。」
「研ナオコさんのファンの皆様大変失礼致しましたm(__)m。」
全く酷い話だ(笑)。
この研ナオコ顔のクルマが、ベンベーの代名詞の3.0CSLの弟分で、当時の最新技術の機構の「ターボチャージャー」を搭載した、スーパーカーだと知るのには、その後大して時間もかからなかった。
マイスター・イエーガーのオレンジ色のワークスカラーリングに、兄貴分の3.0CSL譲りのワークスフェンダーに巨大な前後のスポイラーとウイングを装備した、ワークスレーシングカーに変身したマルニターボは、もう間違い無く「研ナオコのスーパーカー。」として、私の頭に刷り込まれて行った。
あぁ、往年のベンベー。夢のスーパーカーだったベンベー。
その後ベンベーの代名詞のブタっ鼻グリルは、キザったらしく「キドニーグリル」等と呼ばれる様になり、ベンベーは当時の輸入代理店だったヤナセの刷り込みにより、「ビーエムダブリュー」等と呼ばる様になっていった。
このBMW635CSIの時代迄が、BMWがベンベーだった時代だと個人的に解釈している。
熱い時代は既に遠くなりけり。
しかし、ベンベーが熱かった時代は永遠に忘れない。
「ベンベーの時代」。
それは決して本物のスーパーカーには乗る事の叶わない年齢の子供達が、一生懸命夢のクルマのスペックを覚えたり、首から下げたカメラで街を走り抜けるスーパーカーをカメラに収め様と躍起になったり、コスモスの20円ガチャガチャのスーパーカー消しゴムをBOXYのボールペンのケツのノックで「カー消し落とし」に熱狂した時代のお話しだ。
もうあんな熱かった時代は二度と帰っては来ないだろう。
ベンベーの時代を思い出すと、とても懐かしく熱い物が込み上げてくる。
それは自分自身が歳を取ったからに他ならないだろう。
でも、私はきっと今でもベンベーのスーパーカー消しゴムとBOXYのボールペンを手にしたら、周りの同年代の「元」男の子達とカー消し落としに熱狂するに違いない。
自分自身が歳を取りやがて少年だった時代の熱気は冷めても、ベンベーの時代の熱気は永遠に冷めはしないのだ。
全てのスーパーカーよ永遠なれ。
そして全ての熱かった「元」男の子達も永遠なれ。
スーパーカーは永遠の名車として、きっとこれからも未来永劫語り継がれて行く事だろう(笑)。
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#1970年代
HAL1026
2020/06/28MOYOさん、ありがとうございます😊
私もこのベンベーが最高に好きです😆
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MOYO.
2020/06/28HAL1026さん。コメントと素晴らしいコレクションの画像を頂きまして、誠に有難う御座いますm(__)m。
今だからこそ「BMWはベンベーだったからこそ最高。」だと、声高に言えます(笑)。
ベンベーでなくなったBMWに私は興味は有りません(笑)。
HAL1026さんの貼って頂いた画像の車種達こそが真のベンベーで有り、スーパーカーのベンベーだと思います(笑)。
「シルキーシックス」だの、「ビーエムダブリュー」だの、そんなスカした呼び名等はベンベーには似合いません。
例えターボの圧倒的なパワーに耐え切れず、ドライブシャフトが破断する事度々でも、ポルシェ935と激しいバトルを繰り広げた熱い時代のベンベーこそ、スーパーカー伝説に残るベンベーたる所以だと思います(笑)。
有難う御座いますm(__)m。
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shikotuko
2020/06/28最新のBMWもエラい豚っぱなでタイムボカンの豚みたいなカオしてるな〜と思っていたのですがもしかして先祖返りなんでしょうかね🤔
何にせよ平成令和と来て情熱は世の中からだいぶ失われている感じがしますね。
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MOYO.
2020/06/28shikotukoさん。コメント頂きまして有難う御座いますm(__)m。
今のBMWのキドニーグリルとやらは、只々デカいだけで下品で全く好みでは有りません(笑)。
昔のBMWのブタっ鼻グリルは、アウトバーンを200kmを超える時速で走っている時に、先行する車両がバックミラー越しに後ろから「バカっ速いBMWが走って来たから道を空けねば。」と、目視で気が付かせる為のデザインだったのであり、今のBMWの只々「目立つだけの見せ掛け。」とは意味合いが違いましたからね(笑)。
今のBMWには、オラついた強面の顔付きの国産ミニバンと同じ、「激しいチンピラ親父臭」しか漂ってこない事が残念でなりません。
仰る通りに、昭和のクルマへの情熱を業界に微塵も感じる事が出来無いのは、環境問題やPL法の関係で、衝突安全基準とやらで「尖ったノーズデザインのクルマとリトラクタブルヘッドライトのクルマは製造禁止」等の、小喧しくなりすぎた現代の規制の影響以外の何物でも無いかと思います。
有難う御座いますm(__)m。
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TWIN−MILL
2020/06/28同感😁👍
当時、誰ひとり「ビーエムダブリュー」って呼んで無かった気がします😁。バットモービルでCSLは特別な存在となりました。M36のCSLを未だに狙っています。。。635も良いんですよねー😁👍。コチラはタミヤのプラモに影響されました👍。
にしても、今度の4シリーズのグリルは如何なるモノか。。。批判はしませんが見慣れるのかな。。。😅。
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MOYO.
2020/06/28TWIN-MILLさん。コメント頂きまして有難う御座いますm(__)m。
「ベンベー時代」のBMWには、ロマンを感じる所が多分に有りましたよね(笑)。
ドイツ車の王道のポルシェには無いラグジュアリー性の有る箱車感と、メルセデスには感じない硬派なスポーツセダンやスポーツクーペの箱車なイメージが、ベンベーには強く感じされました。
今度の4シリーズのグリルのデザインに関しては、あちこちで批判的な意見が散見されますし、私個人も全く魅力を感じる事ができませんでした(笑)。
そこも、其々の好みですので否定はしませんが、ベンベー時代の気品を感じさせるデザインを取り戻して欲しい物だと強く感じました。
有難う御座いますm(__)m。
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塚原ユズル
2020/06/28良いお話でした😆👍
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MOYO.
2020/06/28塚原ユズルさん。コメント頂きまして有難う御座いますm(__)m。
良いお話しかどうかはさておいて、スーパーカーブーム時代のベンベーが光り輝いていた時代が良い時代だったなと、つくづく思いました(笑)。
有難う御座いますm(__)m。
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貴方の手は何時も青い♡
2021/01/10CSLは何時まで経ってもカッコイイ!
ガキだったころ憧れの外車には手が届かずR100で俺のもキドニー付いてるんだぜとイキったものの、、、。相手にされず、後に待ちに待った初外車はやっとこ手に入れたE21でした、随分乗り回したもんだったなぁ、、、。
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MOYO.
2021/01/11貴方の手は何時も青い♡さん。コメント有難う御座いますm(__)m。
CSLは正にベンベーで有り、BMWがスーパーカーだった時代でしたね。
全てのクルマがスーパーカーに影響を受け、自動車メーカーが切磋琢磨した黄金期だったのだなと、今の自動車業界を見るとそう思わずには居られないのは、きっとそんなスーパーカー世代の熱を知る方ならば、皆さん同じなのでしょうね(笑)。
有難う御座いますm(__)m。
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