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パイロット CUSTOM HERITAGE 912 FA
パイロットのフォルカンはショップ別注等を除くとカスタム743、カスタム742、カスタムヘリテイジ912の3種類のペンにラインナップされている軟調の特殊ニブである。
カスタム743はバランス型の14K15号ニブ、カスタム742とカスタムヘリテイジ912は共に14K10号ニブだが、カスタム742はバランス型、カスタムヘリテイジ912はベスト型でコレだけロジウムメッキ仕上げとなっている。
で、10号より15号の方がニブが一回り大きく、それが書き味の違いを生んでいる。
端的に言って、10号の方が軟らかく、15号の方がコシがある感じがする(良し悪しでは無く好き嫌いの話になるので、優劣に関しては言及しません)。
エラボーと比較される方も多くいらっしゃるが、エラボーはペンの名前であり、フォルカンはニブの種類の事なのでご注意を。
エラボーには字幅のラインナップが存在するが、フォルカンは字幅が選べない、というか字幅の選択肢のひとつがフォルカンである、というべきか。
さて、このカスタムヘリテイジ912 FA、僕はコレが人生で3本目の金ペンである。
知人から戴いたカスタム74のEFをずっと使い続けていたが、ちょっと他の万年筆にも興味が湧いてプラチナ#3776センチュリーのMをお迎えし、それで万年筆の奥深さ、面白さの一端を知ったつもりになり、更にはコンバーターの存在を知った事でインク沼に片足を突っ込みかけていた頃。
誰もが一回は罹るであろう(?)、軟調ニブ欲しい病に僕も罹患し、勢いで購入。
カスタムヘリテイジ912を選んだのは値段と、あとはベスト型のシルエットに惹かれたから。
がしかし、いざ使ってみるとまあ難しかった。
筆記速度が合わなくて擦れる、インクが出ないとか、ペン先をコントロール出来ず、ただでさえ下手な字が更に下手に見えてしまうとか、今思えばよく手放さなかったなぁ、と思うくらい苦戦した。今もしている。
YouTubeやX(当時はTwitter)なんかでこのニブを使い熟している方達を知らなければ挫けていた自信があるw
個人的にオススメなのは、濃淡の出るインクを入れる事。
インクの濃淡が表情豊かに見せてくれるので、なんとなく字が上手に見える。
何年か使い続けて流石に少しは仲良くなれたと思ってはいるが、まだまだこれからである。
カートリッジ/コンバーター両用式。