- Matsu_Crystal Museum
- 9F 栃木県産水晶
- 栃木県塩谷郡塩谷町船生 野州鉱山 紫水晶
栃木県塩谷郡塩谷町船生 野州鉱山 紫水晶
国産の紫水晶で、ここまで濃い紫色をしているものは稀有だと思います。雨塚山や鹿家の紫水晶も濃いものがありますが、この野州鉱山の紫水晶はそれに匹敵するレベルの物だと思います。
これまで公開していた野州鉱山の紫水晶は薄いものが多く、チョロギ水晶で濃いものはあれども、こちらと比べれば薄いもの。
海外の水晶に詳しい方なら、「和製ゲレロ」と言って分かるでしょうか。メキシコのゲレロ州で採取されるアメシストは、その濃さ、スタイリッシュさ、総合的な美しさから最高級と称される紫水晶。この野州鉱山の紫水晶は、それを思い起こさせる濃さと長さを誇ります。それでも5.9cmで、海外のものと比べると短いことは否めません。
二本の単結晶が共に成長しているツイン紫水晶。いずれも同等の濃さで、下部はやや白濁した石英を表面に取り込んで結晶化しています。高級な野州産紫水晶クラスターを見かけることはありますが、細身の単結晶が生えたもので、この太さの結晶が見られるクラスターは未だ見たことがありません。剥離した単結晶と考えると、折れるまではとんでもないクラスターが初めにあったものと思われます。