滋賀県長浜市西浅井町大浦小ツ組 ベータ水晶付き水晶

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「ミネラ」82号掲載

そろばん玉の形をした水晶が付いたこちらの松茸水晶。成長阻害で縦横に蝕像が見られ、平行連晶のように六方系状の結晶が付く特徴的な点も面白いのですが、このそろばん玉型の部分について面白い考察がありました。

そろばん玉型水晶のことはベータ水晶(β-Quartz)と呼びます。通常の水晶がアルファ水晶と呼ばれ、自由に成長するのに対し、高温下で成長した場合は、結晶軸の長さと角度が一定になります。形で有名なものは、高温石英が分かりやすいでしょうか。ロシアのダルネゴルスクではベータ水晶のクラスターも存在します。

この水晶はダルネゴルスク産に似て、単結晶にそのベータ水晶がめり込んでいる特異な形状をしているのです。そしてこの水晶、ダルネゴルスクと同じ鉱脈のものだ、という考察を聞いたことがあります。

ダルネゴルスクは場所でいうと、ちょうど海を渡って北海道の西側あたり。昔は陸続きだったとしても、滋賀県とはかなり離れています。ただ、ここでさらに面白い考察も。

岐阜の神岡鉱山も、ダルネゴルスクと同じ鉱脈だと言うのです。こちらは別の方からお話をお伺いしました。確かに似ている形状の鉱物はあるにせよ…

恐らく、いずれもたまたま同じ成長過程であっただけ。それでもこういったトンデモな仮説を立てるのも面白いですよね。

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