山梨県甲府市黒平町水晶峠 紫松茸水晶①

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雨塚山の紫水晶を高額(とはいえ物としては超破格)購入した際、こちらもセットにしてそのままの値段で譲っていただける、というトンデモなオファーがあったのが懐かしいです。秋葉原ミネラルマルシェ2021で海外の鉱物をメインで販売している業者様から入手したこちら。クリアさ、大きさについては、2024年の現在でも、これを超える水晶峠の紫水晶を手に入れられていません。

よく水晶峠の物で、逆さ松茸の紫水晶を見かけることはあります。2cmほどで5000円、紫は薄い。サンプルとしては購入しているものの、納得いく「水晶峠の紫水晶」となると、金額は3〜5倍。そもそも販売している絶対数が極めて少ない上、コロナ禍以前に大半が出回ったようです。コロナ禍直前の2月からミネラルショー入り浸りになった私、とても歯痒い思いをしています。

さて、こちらの松茸紫水晶は4.8cm、頂点が紫に色付くものが多い中、両錐になっている傘の根元が紫です。クラックの虹色も確認でき、高透明度のお陰でレインボーもくっきり。エレスチャル気味の部分は気泡が僅かに見られます。同産のものは極稀に水入り水晶が見られるそうです。

ファインミネラル用の台座に固定し、ずっと雨塚山の単結晶、引田鉱山の物らと一緒に暗所保管していたため、ミューゼオ開始直後から撮影をしたいしたいと思いつつも出来ずでした。紫が薄いので、今後も暗所保管を続けることになります。
https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/17
https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/397

宮城県白石市小原七里沢 雨塚山 紫水晶
『ミネラ』77号掲載 私は、ここの紫水晶の美しさが日本一だと思います。 美しさ 稀少性 価値 全てが最高ランクでしょう。 長さは5cm。 私が購入した国産水晶の中でも最高レベルの額でした。一生の宝物。国産鉱物の愛好家から託される形で入手しました。 雨塚山の歴史としては、古くは江戸時代頃までには産出が知られており、根付(ストラップ)として加工されていました。当時は小原村の紫水晶として出回っていたようです。 明治時代以降、印材加工による国産水晶需要が高まった際、ブラジル産水晶輸入と同時並行で日本各地の水晶が、山梨の加工業者の手に渡りました。その際、秋田の荒川鉱山や鳥取県藤屋、韓国の彦陽の紫水晶とともに、雨塚山の紫水晶が使用されています。 レピドクロサイトが内包されていない、色が濃い小さめの印材がありますが、山梨県の水晶印材がセットであれば、雨塚山の紫水晶の可能性が高いです。また、現在の紫水晶の印材はサシやモヤがないものが多く使われるので、内包物とは別にサシがあるならその可能性は上がります。 平成以降、鉱物愛好家による乱獲が問題視され、現在は採取禁止。荒れ果ててしまい、立ち入りができないようです。 荒れるのはよくありませんが、保全は良いことと思います。 むしろ、いつまでもこの国の宝として、地中に眠っていてもらいたい。 紫が見られる石英は、付近の川に落ちているのが時折見かけられるそうです。
https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/17
栃木県鹿沼市引田 引田鉱山 紫水晶
「ミネラ」89号掲載 手持ちの紫水晶の中で最も美しい標本の一つです。コロナ禍の2020年、どこかのミネラルショーにて手に入れることができた紫水晶で、フラワーアメシストと言える物です。 サイズは6cm。ネットでファインミネラルとして掲載されている物はこの見た目で、10cm近いかそれ以上のが多く、偽サイトで販売されています。それだけ人の目を惹きつける美麗結晶なのです。 極細の紫水晶が束状に連なり、一つの紫水晶を成しています。光を当てるとレリーフ状に見えるその様はまさにフラワーアメシスト。厳密に言えば、花のように広がっているフラワー水晶とは言えないかもしれませんが、その生成過程は同じ。それぞれの束に頭が付き、割れや欠けも上半分にはほとんどなく、目立ちません。裏面は蝕像にも見える鉱物の干渉痕が、僅かな黒緑になっています。 裏側から光を当てると尚良し。桃色に似た紫、桃紫色(園芸関係で使われる色、とうししょく)が浮かび上がります。購入当時からこの色合いが好きで、よく光を当てて楽しんでいました。 手持ちの紫水晶としては、雨塚山の単結晶、宝川のクラスターに並んで大好きな標本です。 https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/17 https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/65
https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/397

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