山梨県山梨市牧丘町柳平 乙女鉱山 日本式双晶を含む水晶クラスター

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「ミネラ」89号掲載

84.33°で2つの結晶が結合した日本式双晶。

日本で有名な日本式双晶といえば、奈留島と乙女鉱山の2つと言っても過言ではありません。

「日本」と名前が付いた理由は、ここ乙女鉱山で採られた双晶が「Japanese low twin」として、1900年代の海外論文で発表されたことによります。昔からその存在は知られていたようです。

飴色に輝くクリアな結晶の真ん中に、両翼1.4cmの双晶が見られます。双晶がなくても、20cmを超える長さのクラスターであり、このレベルの乙女鉱山の水晶は、令和の今となっては稀有な存在となりました。

昭和の頃は、工業用の水晶や民芸品として大物が採られましたが、このような小粒が密集した水晶クラスターは、収集家たちによって採取されていたようです。80年代に立ち入り禁止になり、その直前に採られたと思われる乙女水晶は時々現在でも出回っていますが、高値でそうそう手に入れられなくなっています。

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