栃木県塩谷郡塩谷町船生 野州鉱山 紫水晶「チョロギ水晶」①

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「ミネラ」89号掲載

普通、チョロギ水晶と呼ばれる野州の紫水晶は、その名の通り「チョロギ(正月に食べる植物の根っこの酢漬け)」にそっくりな形状をしております。

サイズも、〜3cmほどのものが大半かと思われます。その中で、こちらの標本は7cmあります。

このサイズ、かわいいチョロギ、という感じではないかもしれません。食べ物に例えられないので、カエルでいうならアマガエルとガマガエルくらいの違いでしょうか。

ギザギザな条線、蝕像の様な入り組んだ隙間、複数の錐面、めり込んだ黄銅鉱。小さいチョロギでは見られない迫力のある特徴の数々。

褐鉄鉱の塊を酸に溶かすことで、この水晶が得られるようです。ここまでのサイズとなれば、得難い一品でしょう。頭に欠けがあるものの、トップクラスの紫水晶と思われます。

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