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花のあと
藤沢周平原作の同名映画のラストシーンに流れる印象的な名曲。 一青窈の歌詞、歌唱は時代劇の和の雰囲気とも良くマッチしています。ファンの間では「ハナミズキ」よりこの曲が好きという声も多い。意味深なタイトルですが、桜の季節の後、そして、女性の青春を終えた後、の両方の意味を含んでいる。
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私花集〈アンソロジイ〉
さだまさしの最高傑作と呼び声高い「私花集〈アンソロジイ〉」に収録の佳曲。『魔法使いの弟子』作詞/作曲 さだまさし 父親が子供を寝かしつけながら話をして聞かせる微笑ましいメルヘンの歌です ♪毎晩自分が、主役の夢ばかり せっせと届けた いつの間にか娘は 若者にしらずしらず恋をした それで魔法使いの仲人で めでたくかけおちしちゃった つまりその娘がママだよ だからパパは今でも箒くらい 飛ばすのは簡単さ それにしても、このストーリーのオチにはユーモアとウイットのセンスを感じます。 エンディングに男の子の笑い声と「お前、もう寝なさい」と言うさだのやさしい声が入っている。最高! さだは「自分の子供はこの話を信じるくらい馬鹿な子に育てたい」と当時ライナーノーツに書いていました。
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カローラⅡにのって
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ウインウッド
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つじベスト
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『WHERE THE POPPIES GROW』
ジャケットに反して、デイヴ・メイソン在籍時のトラフィックの貴重な演奏を収めたアーカイヴ。 スウェーデンでのライヴ録音は、BBC音源よりも音質は良く、オリジナルメンバーでの白熱のプレイが聴ける。時折入ってくるスティーヴ・ウインウッドのマイクを通していない声や、ギター、オルガン、サックスとフルート、ドラムが一体となった4人での14.「Feelin' Good」は、トラフィックのファンでよかったと思える鳥肌物の演奏。15.「Paper Sun」でのイントロのジム・キャパルディのドラムの入りかたは、バスドラ連打でハードロックしている。デビュー間もない4人のはつらつとした、元気なプレイに感激! (In Sweden at Radiohuset, Stockholm on September. 12th, 1967)
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『WELCOME TO THE CANTEEN』
トラフィック初のフル・ライヴアルバムは、1971年6月に行われたロンドン南部クロイドンのフェアフィールド・ホールにおけるコンサートと、翌7月にロンドンで開催されたオズマガジン救済コンサートのステージを収録している。メンバーはスティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッドの3名に、70年8月にベーシストとして加わったリック・グレッチ、71年初頭のトラフィック北欧ツアー中に加わった、ガーナ出身パーカッショニストのリーバップ・クワク・バー、デレク&ザ・ドミノズを経て5月から加入したセッションドラマーのジム・ゴードン、アメリカから戻っていたデイヴ・メイソンを加えた7人編成。トラフィックはこのラインナップで、英国にてオズ救済イベントを含む計6回のコンサートを開催している。ライナーノーツによるとアルバム後半の3曲が、クロイドンのオープニングナイトから選曲されている模様。元メンバーのデイヴの参加も大きな話題となり、一連のコンサートは大成功を収めた。 本作ではメンバーを増やし、スティーヴのワンマンバンドから一転、バンドのアンサンブルをライヴで聴かせることになる。リリースされた当初は、ジャケットには7名の名前が書いてあるだけでトラフィックの名前はなかったが、これが彼らの5枚目のアルバムとなる。タイトル名の由来は、ある公演でステージの近くにカフェテリアがあり、ジムが「食堂へようこそ!」と発した言葉がそのまま使われたという。プロデューサー名の表記はないが、エンジニアにはブライアン・ハンフリーズがクレジットされている。アルバムは71年9月にリリースされた。(全米26位) 収録曲は全部で6曲。4曲がスティーヴの手になるもので、2曲がデイヴ・メイソン作。2曲目の「Sad And Deep As You」は、この後アメリカに渡って大成功する彼が、ソロになってからも歌い続けている名曲。本作には、1971年に2カ所で行なわれたライヴが収録されているのだが、優れたメンバーに支えられ、スティーヴのヴォーカルをはじめ、キーボードもギターもイキイキしている。アルバムの聴きどころとしては終盤の2曲。1stに収録されていた曲で、10分以上に及ぶ「Dear Mr. Fantasy」と、これまた10分近いスペンサー・デイヴィス・グループ時代の「Gimme Some Lovin’」で、どちらもスティーヴとデイヴが交互に弾くギターソロが素晴らしい。残念ながらギターが本業のデイヴより、スティーヴのソロのほうが上手いという皮肉な結果になってしまってはいるが、緊張感のある名演であることは間違いない。新参のリーバップはコンガ、ティンバレズ、ボンゴをプレイしており、その独特なリズムが生み出すエスニック感は、トラフィック・サウンドに新たな息吹をもたらしている。一連のコンサートの後、デイヴはバンドを離れて再び渡米しソロ活動を再開、残りのメンバー6人は、さらに英国各地とアメリカでのツアーを敢行すると同時に、スタジオ録音による新作のためのレコーディングに着手した。なおトラフィックはアメリカにて発売権があるユナイテッド・アーティスツと、アルバムをもう一枚製作するという契約があったが、前年のアメリカツアーを収録した「Live Traffic」を諸々の理由から発売中止にし、その代替として本作を急遽リリースしたとも考えられている。
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『TRAFFIC』
このアルバムは、制作に先立って、スティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッドの3人はデイヴ・メイソンを説得し、再び4人でのレコーディングを実現させ、再び彼が脱退するまでのわずか9カ月のあいだに完成している。デイヴがトラフィックと再会したのは、ちょうど渡米していた1968年4~5月頃と思われ、互いにそれぞれ5曲前後の持ち歌があった。トラフィックに復帰したデイヴは、主にニューヨークのレコード・プラント・スタジオで録音することになった。デイヴとその他のメンバーとの音楽的な相違が如実に現れている点も、このアルバムの特徴といえる。スティーヴ、ジム、クリスの3人のペンによる曲と、まったく趣向の異なるデイヴの曲が交互に並ぶ本作を聴くと、それを明確に感じることができる。スティーヴが関わった曲は、R&Bをベースにした曲調にソウルフルなヴォーカルが絡むどちらかというと渋めの方向性、一方デイヴのほうはスワンプやフォーク寄りの曲調に、持ち前のキャッチーなメロディが際立っている。そんな両者が生み出したタイプの異なる作品が、絶妙なバランスをもって1枚のアルバムに共存し得たことが、成功の要因であったといえる。(全米17位、全英9位) ポップセンスに溢れるデイヴの曲「You Can All Join In」で幕を開ける。アコースティックギターをデイヴが弾き、リードギターとベースはスティーヴが担当、ジムのドラムズにクリスのテナーサックスも活躍する。雰囲気はガラリと変わってウィンウッド=キャパルディ作の「Pearly Queen」が続く。幻想的で黒っぽい雰囲気のメロディにシュールな歌詞も素晴らしく、トラフィック・ソングのなかでも突出した完成度を誇る名曲。4月にレコード・プラントにて録音されており、スティーヴはオルガン、ギター、ベースとマルチに演奏。エンディングのハーモニカはデイヴ。「Don’t Be Sad」はデイヴの作品で、泣き節のヴォーカルが曲調にふさわしい。デイヴはギターとハーモニカをプレイ、スティーヴはオルガンとソロで歌うパートもあり、デイヴのヴォーカルとのコントラストが面白い。スティーヴの黒っぽいハイトーンヴォーカルが冴える「Who Knows What Tomorrow May Bring」は、ジムのドラムズとパーカッションにスティーヴのオルガンがリード。クリスとデイヴは録音に携わっておらず、シンプルな曲構成に抜群のセンスを感じさせる。シングルヒットしたA面ラストの「Feelin’ Alright?」は、トラフィックのキャッチーな面を代表するデイヴ作フォーク・ポップの名曲。リードヴォーカルとアコースティックギターはデイヴ、ピアノとコーラスをスティーヴがバックアップする。 「Vagabond Virgin」はデイヴとジムの共作曲でリードヴォーカルもこの二人が歌う。リードとアコースティックギターはデイヴ、ピアノはスティーヴ、クリスはフルートを吹いている。「Forty Thousand Headmen」はデイヴが脱退していた1月にロンドンのオリンピック・スタジオで録音した曲で、ファーストアルバムの雰囲気と後期トラフィックのスタイルを合わせ持つような作品。クリスのフルートが幻想的な雰囲気を創りだし、スティーヴの物憂げなヴォーカルと解け合う。スレイベルとコーク缶の効果音もクリスによる。「Cryin’ To Be Heard」はドラマティックに盛り上がるデイヴの力作で、多彩な表情を見せるヴォーカルが素晴らしい。またスティーヴによる絶妙なバックヴォーカル、ハープシコード、オルガン、クリスのサックスなどが効果的な彩りを加えていく。儚いメロディのクラシカルな「No Time To Live」は、静寂に包まれた夜に奏でられる悲歌のような曲で、むせび泣くサックスと哀愁を帯びたスティーヴのヴォーカルとピアノが美しい。デイヴはオルガンで参加、オリンピック・スタジオで5月に録音された。最後の「Means To An End」はノリの良いカントリー風のナンバーで、ジムのドラムズとパーカッション以外の楽器とヴォーカルはスティーヴによる。ブラインド・フェイスのステージ・レパートリーにも加えられた。プロデューサーは前作『Mr. Fantasy』と同じジミー・ミラー。エンジニアはエディ・クレイマーに加え、グリン・ジョンズ、ブライアン・ハンフリーズ、テリー・ブラウンの名がクレジットされている。アルバムのデザインコンセプトはジム・キャパルディが担当している。
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『THEIR FIRST LP』
SPENCER DAVIS、PETE YORK、そしてMUFF & STEVEのWINWOOD兄弟で結成、天才STEVE WINWOODの出発点となった、ザ・スペンサー・デイヴィス・グループの記念すべきデビュー・アルバム。 とにかく、とんでもないクロさのアルバム。 タイトルはともかく、ジャケットは雰囲気充分、そして中身もすばらしく濃い。 天才スティーヴ・ウインウッドの技が多彩で、ビート物、バラード物を交えてバラエティに富んだ仕上がり。ほんとに当時16歳なの? 1.「My Babe」なんてただのR&B調の曲が、スティーヴの歌が入った途端に別世界となる。 4.「Every Little Bit Hurts」のバラードなんてどうだ、恐るべし!である。 そして6.「Sittin' And Thinkin'」ではいよいよバンマスであるスペンサー・デイヴィスが リード・ヴォーカルをとるブルース。しかしスティーヴがオリジナルのブルース8.「Here Right Now」を歌い、その実力の差を見せつけてくれる。 極めつけはアイク&ティナ・ターナーがオリジナルの10.「It's Gonna Work Out Fine」。 カッコよすぎなのだ! 本格派というよりホンモノ! ちょっとディープすぎます。 アイランド・レコードを立ち上げ、当時はグループのマネージャーも担当していたクリス・ブラックウェルの人脈から「My Boy Lollipop」のヒットも放っていたミリー・スモールが、5.「I'm Blue (Gong Gong Song)」に参加している。また、ピーター・アッシャーがピアノで参加している。ラストの「It Hurts Me So」は、サードシングル4.「Every Little Bit Hurts」B面に収録されていたピアノベースの可愛らしいバラード。スティーヴによると12歳の時に書いた初めてのオリジナル曲だという。(全英アルバム・チャート最高位6位)
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『The Low Spark of High Heeled Boys』
トラフィックは「John Barleycorn Must Die」(1970)で復活した。そのアルバム・ツアーでデイヴ・メイソンが復帰にもかかわらず、またしても脱退。なぜかトラフィック名義を使わなかった、ツアー音源のアルバム「Welcome to the Canteen」(1971)を経て、メンバーはそのままにロンドンのアイランド・スタジオで制作されたのが本盤。 変形ジャケットも話題となり、アメリカでリリースされてから1年も経たないうちにゴールドに認定され、最終的に1996年にプラチナに認定されました。(全米7位) あまりライヴで演奏されなかったオープニングの「Hidden Treasure」。ブリティッシュ・フォークに東洋風のメロディーをミックスしたような幻想的な曲。ジムによるとチベットの死者に関する書物から題材を得て作詩したという。一時期のフェアポート・コンヴェンション的なダークさを持ったこの曲は、ブリティッシュ・トラッド以外にも様々なエスニック・ミュージックの要素も感じられ、楽器編成は普通なのにクリスのフルートやチャランゴっぽいフレーズのアコースティック・ギターのせいか、南米のフォルクローレのようにも聴こえてきたりもする佳曲。 2曲目は、仄かにジャズ・テイストが香り、趣味のいいR&Bに刈り込んで仕上げられた、後期トラフィックを代表するタイトルトラック「The Low Spark of High Heeled Boys」。ファンの間では特に人気が高い。各メンバーの即興的なプレイが10分以上に渡り繰り広げられる。メランコリーなムードに包まれたマイナー調のメロディと、適度な緊張感を伴うゆったりとしたノリが、なんとも心地良い高揚感を生み出す不思議な作品。 「Light Up Or Leave Me Alone」はパワフルなリードヴォーカルを披露したジムの代表作。スティーヴのギターもフィーチュアしファンク風の演奏が繰り広げられ、ステージではジムがメンバー紹介を曲中に挟むことも。2007年開催のトリビュートライヴ A Celebration For Jim Capaldi では、スティーヴが歌うヴァージョンを聴くことができる。 「Rock And Roll Stew」はリック・グレッチとジム・ゴードンの共作という珍しい曲。ストリート・ミュージシャンを題材にしたシンプルなロックで、リードヴォーカルはジムが歌っている。アメリカでシングルカットされ、2分ほど長いロングヴァージョンがAB両面に収録された。 全米93位とチャートアクションは振るわなかったが、ファンの間では人気が高く、“Top 10 Traffic Songs”(By Michael Gallucci)では、「John Barleycorn」をおさえて堂々5位に入っている。 「Many A Mile To Freedom」はあまり目立たない地味ソングだが、長閑な自然を想起させる牧歌的な作風はトラフィックらしい。スティーヴのギターソロにクリスのフルートも全編で活躍する。作詞クレジットは、ジム・キャパルディではなくアンナ・キャパルディとなっている。実際に作詞したかは不明だが、ジムが当時付き合っていたアンナ・ウェストモアを指すと思われる。 ラストはイントロのクリスのフルートが奏でる異国風なメロディが印象的な「Rainmaker」。前半は哀愁感のあるスティーヴのヴォーカルがリードする穏やかなムード、後半から曲調が変わりスティーヴのギターやクリスのサックス、リーバップらのパーカッションが活躍しアフロジャズ的な展開をみせる。ブラインド・フェイスではいまひとつ遠慮がちに聴こえたリック・グレッチも、まるでチャック・レイニーみたいな渋派手?なベース・プレイ…。タイトル曲と並ふ本作のハイライトである。尚、公式サイトの本作品のドラムスのクレジットは、ジム・ゴードンではなくマイク・ケリーと記されている。元スプーキ・トゥースのマイク・ケリー本人の発言もあり公認されている。 プロデュースはスティーヴが単独で行い、エンジニアリングはブライアン・ハンフリーズが担当した。アルバムデザインにはトニー・ライトを起用、変形六角カットのジャケットは、立体感を演出したユニークな発想でなかなか面白い。裏面の写真はリチャード・ポラークが撮影。
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『THE COMPLETE BBC SESSIONS 1967- 68』
スペンサー・デイヴィス・グループを脱退したスティーヴ・ウィンウッドが中心となって、デイヴ・メイソン(g,sitar)、ジム・キャパルディ(ds)、クリス・ウッド(sax,fl)らと結成したトラフィック。 60年代の貴重なBBCライヴ音源を全てオフィシャル・クオリティー、サウンドボードにてコンパイル収録。まずサイケデリック時代の色濃い1967年デビュー当時から、翌1968年にかけてのBBCトップ・ギア・セッション3回を収録しており、ウィンウッドとメイソン、この2人ならではのサウンドが、スタジオ・アルバム以上の迫力と演奏力で迫る様は聴きもの。特に「Paper Sun」や「Hole In My Shoe」などは、長いインスト・パートなどを挿入した、当時の斬新なパフォーマンスとなるもので、オリジナル音源とは一線を画すセッション・ライヴならではの緊張感溢れるサウンドは必聴!ウィンウッドの迫力の歌声、メイソンの冴えわたるギター、そして、今は亡きキャバルディの的確なドラミングが鳴りやまないファン垂涎のコレクターズ・アイテム。 1967年のデビューシングル「Paper Sun」から、68年デイヴ・メイソン脱退前の「Feelin Alright」まで、ウィンウッドとメイソンのふたつの才能がぶつかり合いほとばしった初期トラフッィクのBBCパフォーマンス(ジョン・ピール”トップ・ギア”セッション)を全20曲収録。
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『THE BYRDS Live At Royal Albert Hall 1971』
オリジナルメンバーを次々と切り捨て、カントリーロック路線へと舵を切るきっかけとなったグラム・パーソンズすら切り離し、名うてのセッションミュージシャンで完全武装、完全なライヴバンドへと変貌を遂げた後期ザ・バーズ。このやたらと音質の優れたライヴ・アルバムの音源は、リーダーであるロジャー・マッギンの自宅に長年放置してあったテープから発掘された。 アルバム・タイトルにもあるように、本作には71年に行なわれたロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのステージ・パフォーマンスを収録。当日はマッギンのほか、クラレンス・ホワイト(g)、スキップ・バッティン(b)、ジーン・パーソンズ(ds)というメンバー構成で、アルバムには新たに発掘された貴重な音源が全19曲収録されている。
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『Straight Up』
イギリスのバンド、バッドフィンガーがバンド名を"アイヴィーズ"から変更して3作目にして、最高傑作と呼ばれるアルバム。 1971年1月よりジェフ・エメリックのプロデュースによりレコーディングを開始し、同年5月にはジョージ・ハリスンがプロジェクトに参加するが、最終的にエメリックは外され、トッド・ラングレンがプロデュースを引き継いだ。9.「Day After Day」ではジョージ・ハリスンがスライドギター、レオン・ラッセルがピアノを演奏しており、また、ジョーイ・モーランドによればハリスンは5.「I'd Die Babe」でもギターを弾いているという。ビートルズ譲りのメロディから、現在にまで繋がる胸キュン系パワー・ポップ・ナンバーが堪能できる。 本作は全英アルバムチャート入りを果たせなかったが、アメリカではBillboard 200で31位に達し、シングルカットされた、「Day After Day」はBillboard Hot 100で4位、「Baby Blue」も14位にチャート・イン。
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『STEVE WINWOOD』
トラフィック解散後3年の間、サルサ界のスーパー・グループ、ファニア・オールスターズのアルバム「Delicate and Jumpy」やツトム・ヤマシタのプロジェクト「GO」(いずれも1976年)への参加など、ちょっと意外なところに顔を出していたスティーヴ・ウインウッドの記念すべきファースト・ソロ・アルバム。 ベイジング・ストリート・スタジオで収録した「Hold On」、「Time Is Running Out」、「Luck’s In」、「Let Me Make Something In Your Life」の4曲は、リズムセクションにウィリー・ウィークス(b)とアンディ・ニューマーク(dr)を起用している。スティーヴはこの名コンビとジョージ・ハリスンのアルバム「George Harrison」(1979)参加時にも共演しており、またウィリー・ウィークスは、2011年のエリック・クラプトンとの来日ジョイントツアーにも同行していた。アルバム幕開けの1.「Hold On」は、マイナー調の渋めの曲で重心の低いグルーヴ感が心地よい。「GO」で共演したブラザー・ジェイムズがパーカッションで参加している。2.「Time Is Running Out」はスティーヴの真骨頂といえるブラックフィーリング溢れる名曲。リーボップがコンガ、ジム・キャパルディもパーカッションで加わり、リズミカルでファンキーなサウンドが展開される。ジムはバックヴォーカルにも参加、それにスティーヴの最初の妻ニコル・タコットもコーラスに加わっており、エンディングでの掛け合いもスリリング。 チッピング・ノートン・スタジオで収録した4.「Vacant Chair」は、アラン・スペナー(b)とジョン・サスウェル(dr)がリズムセクションを固め、ブラザー・ジェイムズがパーカッションで参加、ジュニア・マーヴィンがギターを弾いている。歌詞は親友のヴィヴィアン・スタンシャルが、元ボンゾズのデニス・コワンの死をきっかけに書いたもので、タイトルは葬儀で使われる花で飾られた椅子を指す。ヨルバ語による一節を挟むなど、ポップなサウンドのなかに異国情緒を感じさせる響きもある凝った内容。3.「Midland Maniac」は珍しく歌詞もスティーヴ自ら手掛けた単独作品で、緩やかな導入部からアップテンポへと展開するドラマチックな曲。ベイジング・ストリート・スタジオなどで収録されたピアノソロ音源をベースに、スティーヴの自宅にてドラムスを含むその他すべての楽器を独りで演奏し、移動式録音システムのアイランド・モバイルを用いて、マルチレコーディングにて完成させた。この制作のスタイルは完全自宅録音を試みたセカンドアルバム「Arc Of A Diver」(1980)への布石となっている。 本作がリリースされた1977年はちょうどパンク台頭期にあったが、スティーヴの作品は時流に反して完全にオーソドックスなスタイルを貫いていた。そのため話題性やシングルヒットなどとは無縁で、商業的には成功作とは言えない内容であった。しかしこれまでの長いキャリアと持ち前の才能は駄作を生み出すことを許さず、音楽的なバランス感覚と作曲センス、それに演奏テクニックは超一流といえる。スティーヴは「レコード会社からの要請に応じて制作した部分が大きかった」と述べていることから、必ずしも実力の全てを出し切った成果とはいえないかも知れない。にもかかわらずクオリティは非常に高く、トラフィックの雰囲気も随所に感じさせる渋い魅力を放つ傑作となっている。本作をソロ・アルバムのベストに挙げるファンが多いことにも頷ける内容で、決して風化することのない永遠の名盤。(Billboard 200 最高位22位)
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『SINGLES COLLECTION : THE LONDON YEARS』
ローリング・ストーンズのアルバム『Steel Wheels』(1989)の発表及びツアーのスタートに合わせて、US<Abkco>レーベルからリリースされた表題のとおりデッカ/ロンドンレコード在籍時に発表されたシングル全58曲を集めたCD3枚組の編集盤。B面の曲もほぼ網羅しているほか、『Metamorphosis』(1975)所収の以下の曲など、本作で初CD化という曲も含まれている。 「Out of Time / Jiving Sister Fanny」 A,オリジナルは1966年のアルバム『Aftermath』に収録されているが、ここに収録されたものはクリス・ファーロウがカバーしたストリングス編曲ヴァージョンのバッキングトラックに、ミック・ジャガーのヴォーカルを乗せたデモ・ヴァージョン。1975年にシングルリリースされている(全英45位、全米81位)。 B,1969年5月24から7月2日にかけてのオリンピック・スタジオにおけるセッションの中で収録。ミック・テイラーも参加。 「I Don't Know Why (Don't Know Why I Love You) / Try a Little Harder」 A,1969年6月30日頃にロンドン、オリンピック・スタジオにて収録。ストーンズに加入したばかりのミック・テイラーも参加。スティーヴィー・ワンダーのカバーだが、『Metamorphosis』から先行シングルとしてリリース時のクレジットは「ジャガー/リチャーズ/テイラー」と誤記された。(全米42位) B,1964年6月29日から7月7日にかけて、ロンドン、リージェント・サウンド・スタジオおよびデッカ・スタジオにて収録。ストーンズ&アンドリュー・オールダム・オーケストラとして録音されたもので、ビル・ワイマンおよびチャーリー・ワッツは不参加。
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