BULOVA ACCUTRONⅡ 96A155

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驚異の音叉時計で一世を風靡…し損ねたブローバの冗談のような一品。1960年代のアキュトロンスペースビューが元ネタになっており、特徴的なターンA型(と書くとガンダムっぽいが)のケースで一度見たら忘れられない強い印象を残す。

何やらPCのマザーボードを裏から見たようなダイアルデザインだが、このチープさとケースやアワーマーカーの本気度がミスマッチで面白い。ハンドが脱力系と言うべきやる気の無さで、これも狙ってるのかどうかデザイナーに正座させて問い正してみたい。

UHF(Ultra High Frequency)クオーツムーブメントを搭載。通常は2本の振動子を3本搭載することで振動数を8倍(262kHz)にして精度を上げた高性能クオーツだ。年差10秒という高精度を自慢してか、リューズはケースに埋没する形で収納されている。調整なんて要りませんよという無言のアピールだろう。

そして何より「スイープ運針」プレシジョニストシリーズのように秒針がスムーズに回転するのだ。このハイビートの機械式のようなパフォーマンスを見せられると「これは本当にクオーツなの?」という気分になってくるから摩訶不思議。

子供の変身グッズのようなルックスに本気の精度。よく見るとあちこちに上質な作りという、時計愛好家を幻惑させるに疑いない小悪魔的なタイムピースだ。

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