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CASIO G-SHOCK DW-5600E-1V & SIKAI 5600用スチールケース
1983年に発表されたDW-5000C、1987年に発表された「DW-5600C」、そして大人気のフルメタル「GMW-B5000」と続く角型G-SHOCKの系譜における、現行で最もオーソドックスなコンセプトを継承するシンプルな一本。ソーラーでもなければ、もちろん電波でもない。だが、そこが良い。 今回はフルメタル化するためのMODと一緒にamazonで購入。そもそも一種のお戯れなので本体は一番安いコレにした。ちなみにMODのガワの方が高価という… 数日、素のままで愛でてみたが、何とも言えない可愛らしさ。そして全然古さを感じないデザイン。お世辞抜きで完成の極致であり、文句を付ける一分の隙すらない。ノーマル液晶ディスプレーの安心の見易さや表示レイアウトの手堅さも、今や全てのデジタル時計のスタンダードである。つまりは古典なのだ。 CASIOの時計の多くに言えることだが、目的とそれを充分に果たす優れた機能があってこのコストパフォーマンスの良さ。つくづく腕時計の価値とは何かを考えさせられる存在だ。 さて、フルメタル化用のMODである。「SIKAI」というブランドのケース用ガワとブレス、今回はYGを買ってみた。ぶっちゃけ「GMW-B5000」シリーズに似せるためだけのパーツだ(゚д゚) 他に効用はない。重くなるだけ… そう言えばG-SHOCKのカスタムなんて初めてだったので色々解らないことも多かったのだが、その分やたらと楽しかった。とはいえ不思議な感覚である。GMW-B5000のパチモンであることは確かだが、中身のG-SHOCKは間違いなくホンモノだからである。う~ん…とりあえず一種のジョークだと考えておいて~っと。 このMOD、一見とても良くできていて、遠目だとGMW-B5000との違いを判別するのは困難だと思う。近くに寄れば質感の安っぽさは隠しようがないし、GMW-B5000と同じとはいかないダイアルデザインの違いで間違いなくバレるだろう。とはいえ、組み付けてみてその精度の高さには感心した。特にケースカバーは僅かなグラつきもなくすっぽりとハマった。侮れません。ただ一箇所、ドリル穴が二重にズレて空いている箇所を見つけた。幸い組み付けに支障のない場所ではあったが美観は落ちる。検品のいい加減さが容易に想像できてしまう(ちなみに気に入らない箇所は少しだけ自力で研磨) 1万円のお遊びパーツは高いのか安いのかよく解らないが、カスタム自体はなかなか楽しい行為だ。しかしこのパーツ、些かグレーな代物ではある。販売ページの写真では加工で塗りつぶしてあったのだが、届いた商品にはベゼル部分にホンモノのGMW-B5000と同様にG-SHOCKのロゴが彫られていたからだ。これではどこまでいってもGMW-B5000のパクリ商品である(たとえ中身がホンモノでも)。そもそもロゴなんて要らなかったし、せめてブレスやラグのデザインくらいはオリジナルにしても良かったのではないかと思う。そういう市場は(小さいかもしれないけど)あると思うので。
ミネラル・ガラス 幅42.8ミリ CASIO 樹脂砂布巾
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ORIENT MakoⅡ SAA02001B3
機械式ダイバーズの入門編として海外でも人気の「マコ」。私がこれを買った時の理由は非常に明確だった。忙しすぎて時計に構っていられなかった時期に、ぶつけようが大雨で水没しようが大して惜しくない時計を探してのことだった。 気兼ねのない時計を探してはいたが、そこはそれ「時計好きの性」。何でも良いというわけにはいかなかった。このマコの良いところは基本的なダイバーズの性能をある程度満たした上で、シティーユースに配慮した時計であるということ。そのサイズや重量、どちらかといえば控えめな見た目などが相まって、仕事場でとても重宝する一本となっている。 そして何より、どこからか安易にパクってきたデザインでないのが良い。どこから見ても「オリエント」なのだ。全体を覆う和風な香り。海外のファンは日本人の私よりもよりはっきりと、マコが醸し出す「オリエンタルムード」を感じ取っているのかもしれない。 全体的には価格のこともあるし文句が出ようはずもない。だが敢えて贅沢を言わせてもらえれば、ベゼル…もう少しだけ高級感出して欲しかった。リキッドメタル流し込み…とまでは言わないが、ベゼルの印象でかなり損をしていると思うのだ。惜しい! 18年の豪雨の時期には本当にお世話になった時計で心強い味方だった。悪天候の影響をモロに受けて混迷を極めた仕事のつらさを、この健気な時計は日々癒やしてくれていたのだ。というのは全然大げさじゃない。マコを見る度に戦友を見るような気持ちになるのは本当だから。 現行オリエントにとって、マコシリーズは特別な存在感で世界中のファンに愛される時計なのだ。
ミネラル・ガラス 幅41ミリ ORIENT ステンレス・スティール砂布巾
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CASIO G-SHOCK G'MIX GBA-400-1AJF
スマホにインストールしたアプリでスマホの各種機能(特に音楽プレーヤー)を操る「スマートフォンリンク」を搭載した初期のG-SHOCKの一つ。 いわゆるG-SHOCKのデザインを崩すことなく複雑な機能追加に対応している。これも一種のハイブリッド型スマートウォッチと呼べるかも知れない。時計としての機能はさすがに円熟を感じる安定感。独自のデザインコードに基づいた複雑なダイアル周りの作りも丁寧で、各種情報の視認性にも高い配慮がなされている。 一番期待したスマホとのリンク機能であるが、かなり限られた機種でしか使えないことは確か。私の場合も3台のスマホでリンクを試みたが、繋がったのはギャラクシーNOTE8だけだった。公式の情報でサポートを謳われていないスマホとの接続は難しいかも知れない。 ただ、一度繋がってしまえば、腕時計から音楽を選んで再生する楽しさは格別。現在では格安スマートウォッチですら持つ音楽の再生中継機能だが、ほんの数年前にはごく一部のデバイスに限られたお楽しみだったわけだ。 テクノロジーの進化速度の早さに置いていかれた感のあるこの「G'MIX」だが、G-SHOCKとしては何ら欠けるところのない完全な時計なので、今後も普通に使っていきたい。
ミネラル・ガラス 幅51.9ミリ CASIO 樹脂砂布巾
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ORIENT SEM70002CG
コロコロと可愛らしい「オリエントスリースター」の70年代風レトロデザイン時計。ラドーのダイヤスターによく似た鉄仮面型のケースに、視認性を大幅に犠牲にした雰囲気重視のカットガラス風防を装備。身に着けるだけで数十年の過去を容易に遡らせる支配力の強さは、同時にこの時計の持つ魔性を現している。 特にシャンパンゴールドのダイアルは、近年あまりお目にかかれない種類の美しさ。古臭いオリエントのブランドロゴもこの時計の場合はとても雰囲気にマッチしている。アワーマーカーやハンドも高級感とは程遠いショボい作りなのだが、安っぽいというよりは陳腐化した過去を懐かしむような…そんな風に哀愁を帯びて見えるのだ。気のせいかも知れないが。 手巻きが無いムーブメントだったり、カレンダー送りはプッシャーを押し込むスタイルで面倒くさかったり、巻板ブレスの長さ調整が鬼のようにやり辛かったり…使ってみれば言いたいことは色々と出てくるのだが「可愛らしさ」の一点で全ての短所に勝る。「七難隠す」というヤツだ。
ミネラル・ガラス 幅40ミリ ORIENT ステンレス・スティール砂布巾
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FOSSIL GRANT FS5297
買ったはいいが数回しか使わず、もったいないので若い知り合いに差し上げた。なかなかお洒落なデザインで絵になる時計だったのだが…私のローテに割り込むほどではなかったのだ。 「あちこちでお洒落な時計してるね!って言われますよ」とは件の若い知人。体躯もデカイので44ミリの時計がよく似合っていた。
ミネラル・ガラス 44ミリ FOSSIL レザー砂布巾
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ORIENT クオーツクロノグラフ STDAG001B0
レクタンで安いのを…と考えて探してたら見つけた一本。ラグがブリッジ式になっておりパット見はかなり高級感がある。ハッタリを効かせるには丁度いい時計じゃないか。 アワーマーカーやハンドはなかなかいい感じのものが使われていて、ギョーシェ(風)のダイアルもそれっぽい雰囲気が漂う。クロノの各カウンターの配置も私の好きなデザイン。 全体的にシャラシャラして重量感には乏しいが、その分装着性は高い。顔見知りのご年配の方が同じものを愛用していたが、老紳士のカジュアルといったコーディネートにうまく溶け込んでいて素敵に見えた。気兼ねなく使える普段使いの時計なのは確かだと思う。
ミネラル・ガラス 幅34ミリ ORIENT ステンレス・スティール砂布巾
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BULOVA ACCUTRON II SURVEYOR BUL-96B239
一番最初に手に入れたブローバ。「サーベイヤーシリーズ」はアキュトロン2の中でも70年代風の味わいで知られる。私の中ではこの時計への評価が後のブローバ増殖へ繋がっていった。 標準的なクオーツの8倍の高精度を誇るUHFクオーツをしれっと搭載しつつもその辺りのアピールは控えめ。ゴールドでまとめたダイアルはラグジュアリー感満載だが、ラグ一体型のケースがスポーティーな雰囲気も漂わせていて広い年齢層、様々なシーンに受け入れられるデザインだと思う。ドーム型に僅かに盛り上がる風防ガラスも良い雰囲気だ。 深い角度で切れ込むラグからフラッシュフィット、ブレスへの流れが非常に立体的で美しい。仕上げは価格なりのレベルだが、磨き分けが巧みなので遠目での印象はクラス以上に良く見えているようだ。「それどこの時計?」と訊かれることが多いのはその証か。 クロノ針の赤い差し色がニクい。安くて印象的、人とは違う個性をさり気なく表現するにはよい時計だ。
ミネラル・ガラス 幅41ミリ BULOVA ステンレス・スティール砂布巾
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HAMILTON Lloyd H19412733
偉大な建築家フランク・ロイド・ライトへのオマージュとして作られた「ロイド」は、現行のハミルトンのラインアップの中ではかなり異質な部類に入るだろう。 丸みを帯びたカレのケースに八角形のダイアル。同じく八角形のインダイアルが整然と並ぶさまはどこかしらユーモラスで生物的でもある。そしてこの印象こそ、ロイド・ライトの建築に感じるインプレッションそのものなのだ。 私はもともと建築出身なので「ロイド」の名前だけで「買わなくては!」と思ってしまった。まだそれほど自分に時計コレクターの自覚が備わっていなかった頃のことだ。 因みにこの時計には夜光が全く塗布されていない。なので夜の視認性はゼロに近い。ただ、なぜ夜光を塗っていないかについては完全に理解できる。つまり夜光を塗るとデザインが著しく壊れてしまうのだ。とはいえケースはもちろん、ハンドやインダイアルの縁取り、アワーマーカーに至るまでもがメタルポリッシュでピカピカなので昼間の視認性は十分に担保されている。 ダイアルのギョーシェは細かく上品な光沢変化が楽しめる。リューズも雰囲気を壊さないシックなデザインだ。 レザーストラップは立体的で厚みがあり高級感を感じるが何せ…硬い!未だに手首のアールに沿ってくれないほどに。ここまで硬い理由はなんだろう? 手持ちのマックス・ビルと並べて見ると、デザイナーとして背筋が伸びる心境になる。見ず知らずの私にまで伝わる偉大なクリエイターの知の遺産。やっぱりデザインって素晴らしい! 残念ながらすでにディスコンになってしまったらしい。10年後くらいに復刻しないかなぁ。
ミネラル・ガラス 37ミリ HAMILTON レザー(Dバックル)砂布巾
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CASIO PRO TREK PRT-500
20年くらい前にプレゼントして頂いたモノ。「プロトレックがいいよ~」とおねだりしたら買ってくれた。ありがたやありがたや。 今見ると回転ベゼルがいい感じだ。貰った当時はリューズやプッシャー関係が扱いづらくて本物の局地で使うと苦労しそうだなぁ~と思ったが、街で使う分には全く問題なかった。 何といっても魅力は3針のシンプルなダイアルに浮かび上がるデジタル表示。この時私はこのような仕掛けを初めて見た。ダイアル全体がまるでアクアリウムを覗き込んだように神秘的な趣があって、作り込んだアプライドのアワーマーカーが湖底に沈んだ宝石のように見えたっけ。 バックライトを点けた時のきれいなダイアルをまた見たくなったので、近々電池交換してみよう。
ミネラル・ガラス 幅47ミリ CASIO ラバー砂布巾
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BULOVA ACCUTRONⅡ 96A155
驚異の音叉時計で一世を風靡…し損ねたブローバの冗談のような一品。1960年代のアキュトロンスペースビューが元ネタになっており、特徴的なターンA型(と書くとガンダムっぽいが)のケースで一度見たら忘れられない強い印象を残す。 何やらPCのマザーボードを裏から見たようなダイアルデザインだが、このチープさとケースやアワーマーカーの本気度がミスマッチで面白い。ハンドが脱力系と言うべきやる気の無さで、これも狙ってるのかどうかデザイナーに正座させて問い正してみたい。 UHF(Ultra High Frequency)クオーツムーブメントを搭載。通常は2本の振動子を3本搭載することで振動数を8倍(262kHz)にして精度を上げた高性能クオーツだ。年差10秒という高精度を自慢してか、リューズはケースに埋没する形で収納されている。調整なんて要りませんよという無言のアピールだろう。 そして何より「スイープ運針」プレシジョニストシリーズのように秒針がスムーズに回転するのだ。このハイビートの機械式のようなパフォーマンスを見せられると「これは本当にクオーツなの?」という気分になってくるから摩訶不思議。 子供の変身グッズのようなルックスに本気の精度。よく見るとあちこちに上質な作りという、時計愛好家を幻惑させるに疑いない小悪魔的なタイムピースだ。
ミネラル・ガラス 42ミリ BULOVA カーフレザー、Dバックル砂布巾
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LUMINOX NAVY SEAL 3507
SWATやSEALsの求める要件を満たすように作られた頑強・軽量な3針時計。デザイン的にはカーボン素材という特徴を除けば極ありふれたダイバーズと言った感じで、ゴテゴテしたG-SHOCKよりも日常の多くのシーンに無理なく溶け込んでくれる。 アワーマーカーとハンドに「ルミノックス・ライト・テクノロジー」という自己発光型の夜光を使用している。明るい場所では解りにくいが常にぼーっと淡く光り続けている。BALLのマイクロガスライトみたいなモノか。 並行だと2万円台中盤で手に入るが、私の場合は打楽器を鳴らしまくるライブの練習や本番での使用が多い。っていうかそれ以外でほとんど使わない。 ウチのユニットのライブを見に来てくれたお客さんにとって私は、常にLUMINOXを身に着けている印象かもしれない。とにかく軽量なので腕のストロークくらいでは本体がズレたりしないのが良い。 また何気にルックスの良い時計でもある。ラグの本体ケース側が直線になっているので、NATOに換装した際の収まりが美しい。誂えたような一体感が出るのだ。遠目に見た際の印象が良いようで、特に若い世代の男性に「それ、どこの時計ですか?」と訊かれることが多い。 ただ、付属のラバーストラップの物理的な弱さはだけはいただけない。バネ棒外しを隙間に差し込んだだけで「プツッ」っと切れてしまった。こんな脆弱な作りでOKなの?SWATさんは。 因みにリストショットの3枚は神戸元町、新宿LOFT、和歌山市それぞれで公演したライブに関する写真です。
ミネラル・ガラス 幅45ミリ LUMINOX ラバー砂布巾
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CASIO G-SHOCK GST-W100G-1AJF
Gスティールの基本モデルのような存在。極めてマッシブなデザインだがGショックを見慣れた人にはこれぞスタンダードと思えるだろう。 Gショックの構造にステンレスを挟み込むだけでこうも印象が変わるのかと、購入した当時は見惚れていたものだ。このシリーズの成功がなければ現在大人気のフルメタルケースのGショックは生まれなかったはずだ。 電波ソーラーのクオーツでフルオートカレンダー。ごちゃごちゃしたダイアルだがゴールドのハンドと立体的なアワーマーカーでアナログ時計としての視認性も充分担保している。BAUHAUSに影響されたシンプルな時計の対極に位置するのは、実はGショックなのではないかと強く思う。 最近はサイズで違和感を感じるようになり、あまり着けなくなって申し訳ないのだが、楽しい時計であることは間違いない。ベーシックなGショックの風貌にほんの少し高級感をプラスして使えるシーンを増やしたオトナのGショックだ。
ミネラル・ガラス 幅52ミリ CASIO 樹脂、ステンレス・スティール砂布巾