トラピチェエメラルド

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ムゾー産のトラピチェエメラルドのスライスです。
トラピチェ・エメラルドと呼ばれる、一見、スター石のようなエメラルドが報告されたのは1879年のフランスの鉱物誌だそうです。
コロンビアのムソー鉱山から稀に産出するエメラルドに見られるもので、その形状が、中南米で、砂糖黍を絞る圧縮器(Trapiche)の車軸に似ていることから、トラピチェ・エメラルドと呼ばれるようになりました。
 このようなエメラルドを産するのは長い間、ムソー産のみで、特有の生成条件があるかと考えられていましたが、1994年にブラジルのゴイアス州産のエメラルドにも同様なトラピチェ型が報告されて、このようなタイプは普遍的に起こり得ると見直されました。
さらに1998年には美しくはありませんがマダガスカルのエメラルド鉱山からもトラピチェ型が報告されました。
このエメラルドを良く見ると、中央に六角形の核があり、そこからそれぞれ60度の間隔で台形型の結晶が成長しています。 中心の六角形の核は先細りの六角錐を成している様子が、上左の表と裏から見た二つの相似形のトラピチェ・エメラルドの写真から分かります。 
 通常のスター石はカボションカットされた底面の結晶軸に沿って含まれるルチルなどの不純物の針状結晶が、レンズ状にカットされた石の表面に光学作用によって浮き上がって見えるものです。
したがって視点を動かすとスターも位置を変えて見えます。
しかし、トラピチェ型はそうした光学的な効果ではなく、不純物そのものが結晶軸の縦方向にも沿って伸びている為にスター状に見える点で異なります。

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