1988-89年頃製作 サドルシューズ 黒

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1988-89年頃製作と思われる外羽根のサドルシューズです。モカ縫いにはドーバーと同じスキンステッチの「ライトアングル」が用いられ、ラストも32とこちらもドーバーと同じですが、ドーバーと比較するとモカ縫いの角度が広く、前半部が寸詰まりに見えます。そのため少々子供っぽい印象を受けるかもしれません。サドル部分近くでモカ縫いが急に内側にカーブしており、これもこの靴の外観に大きく影響しています(画像5)。インソックはMADE BYの四角いロゴ、アウトソールの刻印は大きな浅めのブロック体です。ドーバーより履き口が大きいので、足がホールドされる感覚が若干弱めです。

画像3でよく分かりますが、タンは中央が尖った鋭角なカッティングがなされており、これは1940-50年代の古い靴に時々見られる仕様です。1950年頃のワイルドスミスのビスポークで、これと全く同じデザインの靴を見ました。

旧グリーンの黒カーフは良いものが多いですが、この靴はその中でも抜群の革質です。クリームも使わず、乾拭きだけで輝きが維持できます。

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