86年製 ポールセンスコーン ビスポーク クロコダイルコンビ

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86年製作のポールセンスコーンのビスポークです。穏やかな美しいラウンドトゥです。5枚目のヒール側からの画像でもよく確認できますが、クロコダイルの斑は左右で正確に対称となるようにカッティングされています。つまり一匹のクロコダイルの左右同じ場所からパーツを取ってきているわけで、恐らく一匹から一足分しか確保できないとても贅沢な革の使い方です。画像4で見られる通り光沢も素晴らしいです。白い革はホワイトバックスではなく、艶のないホワイトカーフになっています。
画像3枚目、Uモカ部分にはドーバーと同じスキンステッチ「ライトアングル」という技術が用いられています。クロコダイルにスキンステッチを施すのはカーフより相当難しく(斑が割れやすい)、大変高度な技術だと思われます。紐も革製でタッセルにもクロコダイルが使われています。アウトソールの革も返りが良いのに頑丈で、とても履きやすい靴です。紐が革製なのできつく締めることが出来ず、緩みやすいのが唯一の難点です。

現在、この靴を注文すると£6000は下らないと思いますが、これほどの靴を作って履かないオーナーさんの気持ちが私には分かりません。「履くのが勿体ないなら注文しなければいいのに」そんな風に思ってしまいます(笑)。

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