まずは形から入ります!~ラクジュアリー・クリーニングキット

初版 2023/01/07 18:56

改訂 2023/02/21 20:54

80年代のエドワード・グリーンにはメンテナンス用のグッズが何点かありました。情けないことにまず形から入る私は、当時こうしたグッズにも興味がありました(冷汗)。

上は80年代のグリーンのカタログに載っているメンテナンス用アクセサリーです。靴以上に滅多に出会えない商品ですが、幸運にも私が購入できたものがあります。そのひとつが「ラクジュアリー・クリーニングキット」です。

ケースの外観です。楕円形の革製のものです。横幅20センチ少々。たいして「ラクジュアリー」な印象はありませんね。

ほぼ中央にファスナーが付いており、これを外すとホタテ貝が開くように中身が見えます。ファスナーは日本のものと比較すると、抵抗が強くなめらかに動きません。ここだけは日本製を採用すれば良かったのになぁと思いました。

私のロブ・ロンドンのビスポークブーツのジッパーはYKK製を用いており、素晴らしく滑らかな動きです。機能のためには国産に拘らない、ロブの慧眼だと思います。

こんな感じで蓋が開いて中身が入ります。

エドワードグリーンの筆記体のロゴですが、使われている革は大変良質です。

革製の楕円形のケース内に大小のブラシ、黒とタンのシュークリーム、シューレースなどが入っています。

大型のブラシは白と黒の2種が入っており、いずれも豚毛のようです。豚毛ブラシは靴磨きをするタイミングで使うブラシです。靴クリームを塗った後、そのクリームを革に馴染ませながらツヤを出すことができます。塗ったクリームの成分によって靴がツヤを取り戻す、靴磨きの喜びを味あわせてくれるブラシでもあります。黒い毛のブラシは付いているクリームの色が分かりづらいので、黒靴専用にした方が無難です。

この小さなブラシは元々クリームを塗るときに使われる物だと思いますが、私は指でクリームを直接靴に塗っているので、このブラシはコバの埃などを落とすのに使っています。

このファスナーの取っ手の大きいリングは持ちやすくて重宝しています。とても良いアイディアだと思います。

背面はこんな感じ。

この純正のポリッシュも悪くはないのですが、有機溶媒の匂いがきつく、またクリームの伸びも今一つなので登場回数は少なめです。現在はほとんどの靴にサフィールの無色の乳化性クリームを使っています。

ベルルッティのマダム・オルガの言葉に「靴を磨きなさい。自分を磨きなさい。」というものがありますが、靴磨きとは単なる自己満足です(笑)。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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