『新車年鑑1991年版』より
こんにちは。本書の展示開始から間が空きました・・・。 俗にバブル景気とも呼ばれる平成景気とは1986(昭和61)年12月から1991(平成3)年2月までの好景気のこと。つまりこの号は、そんなバブル景気における車両の動向をとらえた最後の号。リゾート感覚を取り入れた特急車両、在来車両からのイメージチェンジを図った新型電車、そして需要の増えた貨物輸送を担う新型機関車。いずれもが好景気の時世を映し出しているように思えます。 ※表紙写真形式雑感 ① #京成3700形 電車 新形“スカイライナー”のAE100形同様、21世紀指向のもとで設計され、VVVFインバータ制御の採用は勿論のこと、車体外観も従来の京成電車のイメージを大きく打ち破り、スカイライナーで導入していた青と赤の2色のカラーリングを施した。路線延伸により京成と直通運転を行うことになった北総開発鉄道にも同一設計の車両(7300形)が登場し、直通運転実施線区での新たな車両の在り方を提示したとも言える。 ②JR東海 #371系 電車 「あさぎり」号の特急格上げに際してJR東海でも車両を用意することとなり開発された。大形ガラスの使用と曲面的な構成による前面デザインをはじめ、ダブルデッカー車両の連結等、JRグループの特急車両の中でも非常に個性的な内容を持つ車両となった。定期列車用の車両でありながら1編成のみの存在となった点でも異彩を放つ存在である。 ③JR東日本 #251系 電車 東京と国内有数のリゾート地である伊豆地方とを結ぶ「踊り子」号にリゾート特急列車としての要素を加味すべく、車体構造と外観から内装に至るまで従来の特急車両の概念を打破する様々な新機軸が盛り込まれた。「スーパービュー踊り子」号と命名された本形式による列車は、ほぼ毎日乗れるジョイフルトレイン並みの列車と認識されたこともあって高い人気を博すこととなった。 ④ #大阪市交66系 電車 堺筋線の天下茶屋延伸開業に対応する増備車として、尚且つ在来の60系電車の後継車との位置付けで登場した。同時期に登場した通称新20系電車と設計思想を共通にしているが、阪急との相互直通運転用車両であるために前面の灯具類の配置に変化が現れている点が興味深い。ラインカラー(茶色)と色調の近いオレンジ色を路線識別帯のアクセントに添えたことも、外観上のポイント。 ⑤JR貨物 #EF200形 電気機関車 東海道・山陽本線の貨物列車を高速化及び重牽引化する目的で、同時期に登場したEF500形電気機関車と共通の方針の下で開発された。インバータ装置と3相誘導電動機の組み合わせによる制御方式や電気指令式セルフラップ空気ブレーキ等、機関車において画期的となる機器・装置を数多く採用したほか、運転室の構造も作業性や居住性の向上に大きな意が払われたものとなった。 #図書室 #鉄道ピクトリアル #新車年鑑