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アレキサンドライト(金緑石)
アレクサンドライト(orアレキサンドライト/alexandrite)は、1830年、ロシア帝国ウラル山脈東側のトコワヤのエメラルド鉱山で発見された鉱物で、クリソベリル(金緑石)の一種です。
微量に鉄、クロムなどの不純物を含み、そのせいで太陽光や蛍光灯の明かりの下では暗緑色を示し、白熱灯や蝋燭の明かりの下だと鮮やかな赤色を示します。これは特にアレクサンドライト効果と呼ばれますが、最も理想的な色の変わり方は、薄いエメラルドグリーンから薄い赤紫色と言われており、その希少性から世界で最も高価な宝石の一つに数えられています。
アレクサンドライトの中にはキャッツアイ効果(シャトヤンシー)をもつものもあり、これは特に「アレクサンドライト・キャッツアイ」と呼ばれます。石言葉は「秘めた思い」で、6月の誕生石のひとつです。アレクサンドライトに関しては人工のものも作られており、紫外線を吸収する性質があるため、宇宙船の窓の材料に使用されているそうです。
アレクサンドライトの名前の由来は明確ではありませんが、フィンランドの鉱物学者・ニルス・グスタフ・ノルデンショルド (1792~1866)がこの鉱物を発見した日が、ちょうどロシア皇太子であるアレキサンダーの16歳の誕生日(1834年4月17日)だったため、未来の皇帝アレキサンダー二世を記念する意味で「アレクサンドライト」と名づけられたというのが通説になっています(ロシア帝国皇帝ニコライ1世に献上された日である4月29日は皇太子アレクサンドル2世の12歳の誕生日だったため、という説もあり)。