マクラーレン・メルセデス MP4-23 2008

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2008年のF1チャンピオンマシン。07年、F1史上誰も達成したことのないルーキーチャンピオンに限りなく近づいたハミルトンでしたが一歩及ばず、初戴冠への期待が持ち越された翌08年、ライバルとなったのは前年王者のライコネンではなく意外にも(失礼)覚醒したマッサでした。

シーズン最終戦のブラジルGP、待っていたのはF1史上最も劇的な幕切れでした。雨がらみのレースはマッサが同年最多勝となる6度目のトップチェッカー。ハミルトンがチャンピオンになるには前を行くベッテルを抜いての5位が必要ですがペースに差はなく万事休す。ハミルトンのフィニッシュを前に喚起に沸くフェラーリピット(特にマッサ父)でしたが、このラテンぶりがこの後のドラマを更に盛り立てる(?)ことに、、、

コースに目を転ずると異様に遅いペースで走行する4位のトヨタ、グロック。微妙な雨量にドライタイヤで賭けに出たもののファイナルラップに強まった雨脚で賭けは失敗、10秒以上あったベッテル&ハミルトンとの差もこの1周の間にどんどん縮んでいったのです。ベッテルは最後まで抜けなかったハミルトンでしたが最終コーナーでグロックを交わし5位でフィニッシュ、当時最年少記録となるチャンピオンを獲得したのでした。

09年からのレギュレーション変更を前にした空力デバイス満載&溝付きタイヤの最終世代ですが、このあたりの時期がF1原体験の自分には魅力的な形状です。しかしこのあと10年以上マクラーレンからチャンピオンが出ないとは、この時は想像もできませんでした、、、諸行無常。

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