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コロムビア JPSシリーズ カタログ
1965年6月発行 日本コロムビア株式会社
宣伝広告課
わが国の一流バンドによるポピュラーの名曲
〈JPSシリーズカタログ〉
■ヴォーカル
■ヒット・ミュージック
■ムード・ミュージック
■スクリーン・ミュージック
■ラテン・ミュージック
■ジャズ
■ハワイアン
■クリスマス
□3S録音について
□コバルト・シリーズ
□レコードの出来るまで
日本コロムビアが開発した“SSS録音”
〈Super Stereo Sonic Recording〉
〈SSS録音レコードの特徴〉
●輝きのある音色はいかなる音量においても失われることがない。
●従来になかった明瞭度オーケストラのパッセージの細部が今迄にないほど、各楽器の配列がはっきりと区別出来る。
●完璧な臨場感、コンサートホール又は録音スタジオの最上席で聞いている感じを与える。
●再生歪の減少方法を用いたので、鮮明なレコード音楽を楽しむことが出来る。
以上の様に数々の特長を発揮させるために、SSS録音レコードはテープ録音からカッティングプレスまで新しく開発した技術と優れた設備によって作られています。
〈マイクロフォンの種類配置も厳密に考慮〉
音響特性の優れた広い、しかも残響のきれいなホール又は録音スタジオを選び、そして楽器はクロストーク(楽器と楽器の干渉)を防ぐ様に配置します。十数本のマイクロフォンで捉えた音はミキシングルームでステレオ感の豊かな音楽にテレフンケン製の最新式調整卓を用いて調整され、アンペック製4トラック磁気テープ録音機で忠実な音を録音します。オリジナル4トラック・テープから2トラックステレオ・テープヘ編集する時にランジュパン製グラフィックイコライザー、EMI製のエコーマシン、バンポテンションメーター等の設備を使って綿密な調整を行ない円盤録音用のテープが作られるのです。又SSS録音用の磁気テープはスコッチ社が最近開発した低雑音磁気テープ#201を使用しています。このテープは従来の#111より6db(1/2)もテープノイズが低いのでダイナミック・レンジはより広くとれるのです。
★円盤録音にも特殊な装置
テープよりラッカー盤にカッティングする時には、当社技術陣が特別に製作したプレゼンス・イコライザーで音に輝きをつけます。レコード再生の場合、再生針がレコードの内周に進むにつれ高音域が降下するのを防ぐために自動ダイヤメーター・イコライザーで補正を行ない、また音量によって自動的に特性の変化ができるフェアチャイルド製620型イコライザー、CBS製自動レベル・コントロール等の装置を駆使し、綿密に調整して驚異的な臨場感、幅広い周波数帯域、生々しい音、しかもいかなる音量レベルに於いても歪まないSSSレコードの円盤録音にが行なわれているのです。
★ヴァーティカル・トラッキング・エラー
の減少
最近レコード愛好家の中で問題になっているヴァーティカル・トラッキング・エラー(円盤録音の際のカッティング角と再生針の垂直方向角の相違による歪)を減少させるために、ノイマン製円盤録音装置の改善に成功したことがSSS録音方式の開発に貢献したのです。
又、レコードの録音レベルを大きくすると問題になるのは高い周波数成分がカッター・ヘッドの許容電力をオーバーし、音ミゾの曲率のオーバーの原因となります。米国の文献によると実際の音楽について曲率のオーバーの回数を実験的に測定した結果では、非常に多くの曲率のオーバーが生じていることが判明したので防止策としてフェアチャイルド製620型イコライぜーションで一定のレベル以上の信号がカッター・ヘッドに加わった時のみ特定周波数帯をイコライゼーションして曲率のオーバーを防いでいるといいます。
以上のようにテープ録音から円盤録音まで新しい技術と設備、資材を使ってSSS録音方式レコードが作られているのです。
〈注目盤〉
■ひばり世界をうたう/美空ひばり
帰れソレントヘ〜アロハ・オエ
■ヒット・キット・ミコ・第1集/弘田三枝子
砂に消えた涙〜アイドルを探せ
■マンボのすべて/東京キューバン・ボーイズ
エル・マンボ〜ベサメ・ムーチョ
■世界の夜はふけて/
薗田憲一とディキシー・キングス
ワシントン広場の夜はふけて〜
霧のサンフランシスコ
■有名バンドと踊ろう/
原信夫とシャープ・アンド・フラッツ
レッツ・ダンス〜ビギン・ザ・ビギン