2021.12.05 King Crimson (Part2: Live編)
<2021年12月14日に書いたブログ記事の再掲です> レポートのPart2はライブ本編をお届けします。 緊張しまくりながらも至福のひとときだったRoyal Packageが終わるといったん退場して外に出て一般の皆さんと一緒に(気分はまだRoyalなので上から目線…)入場待ち行列に並んでから再び入場。席は1階席の真ん中よりちょい後ろの真ん中やや右寄り。ステージ全体が見渡せる良い席でした。2015年に一度観ているはずなのにやっぱりドラムキットが3台どーん!って並んでる光景は異様です。 少し前にリリースされたアメリカ公演のライブ盤と同じく、Introductory Soundscapeが流れるなか注意事項などの場内アナウンスに続いてRobert Fripp総帥のあいさつMCが流されました。2015年のときは厳かな感じだったFripp総帥、今回はバンドメンバーの不揃いな合いの手も入って「いえーい!」と妙に陽気。この変に弾けた感じはどうしても奥様とYouTubeでやってる狂気のSundayLunchを思い出してしまう…。 やがてステージ上にビシっとドレスアップしたメンバーが登場。そして始まったのはドラム3人による挨拶替わりの「The Hell Hounds Of Krim」(rockin'on.comに載ってたセットリストによると「DRUMSONS GET GODZILLA DANCING」という面白いタイトルになってました)。ステージ上で異様な存在感を放つ3台のドラムキットから繰り出される音の圧が凄い!!そのままPat Mastelottoが奏でる鈴の音?に続いてFripp総帥のギターがフェードインしてくる「Lark’s Tongues In Aspic, Pt. I」!2015年に観たときと同じ流れだ!さらには2ndアルバムからの「Peace: A Beginning」(ライブ初公開?)からの「Pictures Of A City」。Mel Collinsのサックスかっこいい! …とまあ、のっけから大興奮が続いたのですが、このあと「宮殿」と「Red」からの曲を怒涛の如く叩きつけられて、さらに第一部の締めに「21st Century Schizoid Man」まで登場!その前半最後の「21st Century Schizoid Man」でGavin Harrisonの凄まじいドラムソロのあと、曲の最後のほうで3人のドラムスティックが宙に舞う演出があったのですが、その時に飛んできたスティックを拾ったTony LevinがそのスティックでFunk Fingers奏法を披露!Royal Packageで受けた質問にきちんと行動で答えてくれたサービス精神に脱帽!でした。 こうして前半だけでやってほしい曲がほぼ全部聴けちゃって、後半って何が残ってたっけ…??とやや放心状態で約15分の休憩時間を過ごしたのですが、後半は後半でこれまた素晴らしかったです。第1部と同様に3人ドラムの妙技を味わったところで始まったのが「Discipline」…と、ここでトラブル発生!Fripp総帥のギターの音が出なくなってしまい、スタッフがバタバタとケーブル抜き差ししたりして明らかな異常事態。総帥ブチ切れてどっか行っちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしました。が、次の「Lark’s Tounges In Aspic, Pt. II」のイントロではちゃんと総帥のギターも無事に復活。 後半は後半で怒涛の音と情報の洪水に溺れるような体験でしたが、そのなかでも「Islands」や「Peace: An End」といったやや静かな歌のある曲でJakko Jakszykの歌がやたらと感情こもってるように感じられてとてもよかったです。 「Radical Action II」~「Level Five」で後半が締めくくられ、アンコールの手拍子をしながら周りはみんな「アンコールはStarlessで確定だよね~」という声がガヤガヤと。確かに、もうあと残すところはこの曲しかないもんね。 …と観客のほとんどがそんな予想をする中で始まったのは、まさかの「Discipline」やり直し!今度はFripp総帥のギターもちゃんと聴こえてバッチリ!の嬉しいサプライズでした。そして本当に最後の1曲はやっぱり「Starless」。もう大満足すぎです。 演奏が終わってしばらく観客の様子を伺っていたバンドですが、Tony Levinがカメラを手にすると撮影タイム開始の合図。みんな一斉にカメラを頭上に挙げてバンド側と写真の撮りっこに興じます。自分もわざわざスマホじゃなくデジカメを用意したのに、なぜかズームしたら全然ピンとが合わず酷い写真しか撮れなかった…ので、心のフィルムに焼き付けました…。 バンドメンバーがステージを去っても、Fripp総帥だけ独り残って撮影してました。 こんなご時世にライブが体験できた、というだけでも凄いことなのに、中身も凄すぎてめちゃくちゃ気持ちいい興奮状態で会場を後にしました。70過ぎのお年寄りが出す音じゃないです。まじで。まだまだ進化し続けそうなこの形態の7人(8人)編成クリムゾンでしたが、どうやら本当にこの形での演奏はもうしないみたいです。が、King Crimsonそのものは終わるとは限らない…と含みのある表現で明言を避けたFripp総帥でしたので、次に何が出てくるのか期待して待ちたいと思います。 本当にこんなタイミングで来日してくれて、こんな凄い音楽を聞かせてくれて見せてくれてありがとうございました!! まさに"Music Is Our Friend"でした。 King CrimsonMusic Is Our Friend Japan 20212021年12月5日(日) Setlist: SET1 1. The Hell Hounds Of KrimDRUMSONS GET GODZILLA DANCING 2. Lark's Tongues In Aspic, Pt. ILTIA 1 3. Peace: A BeginningPEACE [INTRO] 4. Pictures Of A CityPICTURES 5. The Court Of The Crimson KingITCOTCK + CODA 6. RedRED 7. One More Red NightmareOMRN 8. Tony CadenzaTONY CADENZA'S MONSTROUS CADENZA 9. EpitaphEPITAPH 10. 21st Century Schizoid Man21CSMSET2 1. DrumzillaDRUMSONS GET RODAN ROCKING 2. DisciplineDISCIPLINE 3. Lark's Tongues In Aspic, Pt. IILTIA 2 4. IslandsISLANDS 5. IndisciplineINDISCIPLINE 6. Peace: An EndPEACE - [FULL] 7. Radical Action IIRADICAL ACTION 2 8. Level FiveLTIA 5(encore) 9. Dicipline 10. StarlessSTARLESS ※面白いのでオフィシャル(?)のセットリスト上の表記を斜体字で併記してみました。SET2の1曲目の”RODAN”とあるのは”RADON”のスペルミスでは?という説がSNS上で飛び交っているのを見かけました。SET1がゴジラだったからSET2はラドンだろ、ということだそうですが、僕もこれに1票! King Crimson 2021年来日公演フライヤー(チラシ) https://muuseo.com/tanudon81/items/43 いしー