資料紹介【1/4t (4×4) 小型トラック(Jeep)】

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 今回は、模型でなく自身の書籍から資料としての紹介です。

 第1回目は【WWⅡ】の【1/4t (4×4) 小型トラック(Jeep)】です。

 5月28日頃に、ある方の展示物である【米軍 2 1/2t (6×6) 大型トラック】について偉そうな「コメント」を書きましたが、考えてみると私自身も、戦車等の装軌車両に魅入られているところがあるなと思い「縁の下の力持ち」的存在である【装輪車両】について、改めて見直してみようと思いました。
※装甲がない事から「ソフトスキン ビークル」と呼ばれています。

表題にある「Jeep:ジープ」から見てみます。

 今でこそメジャーな存在である「ジープ」は、1940年に米国陸軍軍需補給省内に設けられた「小型偵察車開発小委員会」が提起した計画がスタートとなります。そこで米国内の自動車メーカー(フォード社・ウイリス社・バンタム社など)が競って、試作車両の開発に取り掛かかりました。

 まず、最初に、ウイリス社が「QUAD」を、次にバンタム社の「バンタムMkⅡ」、最後にフォード社が「ピグミー」を提示し、米陸軍のテストを受け・・・(中略)本来なら、競合の結果として、どれか1車種を選定するところ、それぞれのメーカーが、最初のプロトタイプを基に新たな小型トラックを開発し生産が開始したそうです。
●ウイリス社:ウイリスMA
●バンタム社:BRC40⇒太平洋戦争初戦のフィリピン攻略戦で日本軍に捕獲された画像があります。
●フォード社:フォードGP

 その後、1941年になると太平洋に【WWⅡ】が拡大、米陸軍は、フォードGPとウイリスMA及びバンタムBRC40を併せた形である【ウイリスMB】を統一モデルとして承認し、大量生産に入る。しかしウイリス社の生産ラインでは大量生産が追いつかないと判断した軍は、フォード社の量産ラインを活用し、ライバルであるウイリス社のMBを増産させた。これが「フォードGPW」である。
※GPW:ジェネラル パーパス ウイリスの頭文字

 ウィリスMBデビュー直前の各メーカーが量産した車両は、連合国間の武器供与に基づくレンドリース法により、英国、仏国、ソビエト連邦その他へ供与されてます。

ここで車両本体の特徴を説明します。
 「ウイリスMB」の最初期量産型は、ラジエターグリルがステイ式のフレーム、後期生産型より一体型グリル

※ラジエターグリルの空気取り入れ口の縦穴は、後にウイリス社の特許となり、今でも他社は同一型の製作が出来ない。
「ウイリス社」は、後に「カイザー社」に買収され、その後にAMC(アメリカンモータースコープ)に吸収された。また今では、中国が買収したらしく、従ってハマー(HMMHV:高機動車)は中国資本となる。

 ウイリスMBとフォードGPWは、外見上は同一(ウイリスMB型)であるが、フロントのシャーシフレームの左右を結合している第1クロスメンバーが、ウイリス社はパイプで結合、フォード社はプレス加工したステイで結合、これが唯一の違いである。

総生産台数(1945年まで)
●ウイリス社:361,349台
●フォード社:277,896台
合計:639.245台が生産され、米軍はもとより、連合国内での兵器供与のレンドリース法に基づき供与されていった。
正に連合国軍人の足であった。

画像説明
2枚目:ウイリス社の「QUAD」
3枚目:上段:バンタム社の「Model 40 BRC」、下段フォード社の「ピグミー」
4枚目:ウイリス社の「ウイリスMA」
5枚目:ウイリスMB(最初期量産型)⇒ラジエターグリルがステイ式のフレーム
6枚目:ウイリスMB(後期量産型)⇒ラジエターグリルが一体型
7枚目:「ウイリス QUAD」から「ウイリスMB」までの変遷

PS:これ以降、中型・大型トラックを準備中です。逐次Upします。

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    T. S

    2022/01/25

    こういう資料はいいですね。
    三菱ジープではなく、ウィリスとかバンタムのジープに乗ってみたいです。

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    デルタ

    2022/01/26

    コメント感謝です。
     三菱ジープも、戦後にウィリス社のライセンスを受け生産してました。初期生産型のジープ【CJ-3】のラジエーターグリルには、三菱とウィリスのマークが刻印されてました。
    Cはシビリアン(民間)、Jはジープの意味です。

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