〈小説〉「ケルベロス 鋼鉄の猟犬」単行本版

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幻冬舎文庫版もあったかと思うが、
現在私の所有しているのはこちらのみ。

「犬狼伝説」シリーズの前史に当たる作品。

シリーズを象徴する重要な小道具である
「プロテクトギア」が元はドイツが戦時中に
使用した軍用兵器であるとされており、
それを装備した「装甲猟兵」達の戦いを
描いた内容となっている。

1942年のナチス政権崩壊後のドイツが舞台で、
軍宣伝中隊に所属する主人公の女性将校
「マキ・シュタウフェンベルク大尉」と、
かつては「独裁者」直属の典礼部隊であり
呪われし装甲兵として忌み嫌われる
「第101装甲猟兵大隊」との交流をメインに
物語は進んでいく。

「独裁者」の典礼部隊であった設定からか、
ギアのデザインが他のケルベロス作品に
比べるとメカニカルな訳ではなく、
西洋甲冑的な見た目へ狼男とでもいう様な
生物的デザインを取り入れた物になっている。

本作品の総評を簡単に言うなら、
押井監督作品のお約束である
「銃や兵器の含蓄と、架空の戦史を楽しむ作品」
とでも言ったところ。

88cm列車砲の運用 及び 稼動のシーンが
面白さのピークで、物語のラストについては
お世辞にも面白いとはいえない印象。

本作はラジオ文化放送で2006年5月〜2007年3月
まで放送されていた、「押井守ラジオシアター
ケルベロス 鋼鉄の猟犬」をノベライズ化した
ものである。

1987年に同じくラジオドラマとして放送された
「紅い眼鏡を待ちつつ」はまだ私が生まれて
いないのでリアルタイムで聴けなかったが、
こちらは聴く事が出来たので非常に良かった。

主人公の「マキ」は榊原良子が、
第101装甲猟兵大隊指揮官の「マイヤー大佐」
は大塚明夫が声優を務めており、
押井監督作品らしいキャストが制作陣も含め
多数集結していた。

#押井守
#ケルベロス
#鋼鉄の猟犬

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