Songs in the Key of Life / Stevie Wonder

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Key of Lifeをレビューするなんて恐れ多いですが(笑)とにかく「一生に一度は聴かなければ絶対に後悔するシリーズ」には必ず入る傑作です。絶頂期にあったStevieは、このアルバムのために1,000曲書いてそこから選んだとか、とんでもない伝説もありますが、楽曲のクオリティは空前絶後ではないでしょうか?いやほんとに。

クラビネットが最高にHipに聴こえる "Superstition” から、リズムとホーンの掛け合いが見事なインストの "Contusion" からの有名曲と侮るなかれ "Sir Duke" 、久保田利伸が絶賛した "As" や、これを聴けば人種差別なんてアホらしいと分からせてくれる "Black man" などなど、全曲ひとつひとつに感動があります。

さて、今、この2021年に書いておくべきこと。それは、このアルバムが出た1976年から我々は何も変わっていないということ。人種差別や国家間の争いなど無くなるどころか悪い方に加速しているとしか思えません。アルバム冒頭 "Love's in Need of Love Today" でStevieはTVアナウンサーの姿を借りて世界に語りかけます。「今必要なのです」「手遅れになる前に」「憎しみがそこら中に広がっています」「世界が必要としているのは愛なのです」と。

かの三部作を終えてリリースしたこのアルバムは、神が降りてきた作品としか思えません。神がStevieを通じて世界に愛と平和の尊さを説いたギフトだと思います。でも残念ながらそれは一部の人にしか届かず、少しずつ風化して、歴史の中に埋もれ始めているのでしょう。

だからこそ、今、これを聴いて欲しいと心から願います。

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