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『浴槽の花嫁』牧逸馬の世界
『浴槽の花嫁 世界怪奇実話集I』、牧逸馬/著。社会思想社現代教養文庫(教養文庫)1975年初版第1刷。
牧逸馬と聞いて、まずピンとくる人はいないと思いますので、略歴を書きますと“1900年、新潟県佐渡生まれ、本名:長谷川海太郎。18歳で単身渡米、オベリン、ノーザン大学に在学、コック・ポーター等で7年間働きつつ勉学、帰国後は“谷譲次”“牧逸馬”“林不忘”と3つの筆名を駆使して、執筆・翻訳・翻案・創作の各著作を発表、大衆文学界の寵児となる。一番知られた著作が『丹下左膳』もの(林不忘名義)。1935年、心臓麻痺で急逝”(後書きより)
牧逸馬先生の経歴は、「金田一耕助」の経歴の元ネタになってるんじゃないかと思いました。
この方の世界怪奇実話は、米国留学中に聞いた実話や都市伝説的な話を基にした話で、フランク・エドワーズや庄司浅水氏の著作よりも、大人向けで、生々しく陰惨な話が多いのも特長です。
誘拐犯罪の捜査の過程で、警察のミスで犯人を射殺してしまい、人質の子供が生死も消息も不明となる収録作「チャアリィは何処にいる」なんて代表的な作品でしょう。
古書で現代教養文庫を中心に集めていましたが、版元の社会思想社も今は無く、集めきれてません。
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