梓みちよ/こんにちは赤ちゃん

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リサイクルショップ中古レコード店でシングル盤をパタパタと高速で何か良いモノはないかと探していると思わず手が止まるジャケがある、それがこの「こんにちは赤ちゃん」だ
青色を基調とした総天然色風のジャケのレコードは既に何枚も持ってるしもう要らないんだけどなぜかその手を止めさせてしまう謎の魔力を秘めている

俺が幼少期、まだ団地に住んでいた頃だ、夏休みの平日の午前中、確か火曜日だったと思う、
階下の駐車場の空きスペースに移動スーパーがスピーカーから大きな音楽を流しながらやってくる。
その軽快なイントロに導かれ「こんにちは赤ちゃん 私がママよ〜」と始まる奇妙な曲はその移動販売で必ず小さなプリンを買ってもらえた事から俺の中では密かに「プリンの歌」と命名されていた。
恐らく人並みには母親に愛されていたと思われる俺はすでに記憶には無かった赤ちゃん時代の俺を想像しながら買ってもらった甘い小さなプリンを一口一口ゆっくりと噛み締めたものであった。

いろいろな形で日本人の潜在意識の中に刷り込まれていったこの曲はきっと大半の人が最低でも1番は歌詞カード無しで歌うことができるスタンダードな文字通りの流行歌だよね。

因みにこのベビーベッドジャケは同年のレコード大賞を受賞した後、カタログ番号は同じながらデザインが変更され同じく総天然色風ジャケでレコード大賞受賞曲の文言が入り梓と赤ちゃんが向き合う横顔がアップになったジャケになっているんだけどやはりデザイン的には初版ジャケの方に軍牌が上がるであろう。

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