角川書店 角川文庫 犬神家の一族 第1期

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昭和四十七年六月十日 初版発行
昭和四十八年八月二十日 九版発行
発行所 株式会社角川書店

昭和25年(1950年)から昭和26年(1951年)にかけて雑誌「キング」に連載された横溝正史の長編小説「犬神家の一族」。
信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が残した遺言状を巡り、犬神家で次々と起こる凄惨な連続殺人を描いた、横溝正史の代表作の一つですね。横溝正史お得意の“見立て殺人”や不気味なゴムマスクを被っている犬神佐清のビジュアルなど、この作品もやはり“映像映え”のする作品で、それ故「八つ墓村」と並んで映画やテレビで映像化されることが多い作品です。特に昭和51年(1976年)に市川崑監督・石坂浩二主演で角川映画の第1作として公開された『犬神家の一族』は“メディアミックス戦略”の効果もあり大ヒット、折からの“横溝正史ブーム”を決定付ける一作となりました。湖面から足が二本突き出たシーンを使ったポスターのインパクトは非常に強烈でしたね。角川文庫には昭和47年(1972年)に収録されました。
画像は昭和48年(1973年)に角川書店より刊行された「角川文庫 犬神家の一族 第1期」です。髪の毛が鬼火や狐火を彷彿させる妖しい炎と化している5人の人物を配した、初期の表紙画らしい、アート色が強い画ですね。私が初めて文庫本で読んだ横溝作品が、父親の本棚にあったこの表紙画の「犬神家の一族」でした。そんなこともあって、個人的にも思い出深いバージョンです。

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