角川書店 角川文庫 悪魔が来りて笛を吹く 第2期

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昭和四十七年二月二十日 初版発行
昭和五十二年五月十日 二十四版発行
発行所 株式会社角川書店

昭和26年(1951年)から昭和28年(1953年)にかけて雑誌「宝石」に連載された横溝正史の長編小説「悪魔が来りて笛を吹く」。
終戦から間もない頃の東京を舞台に、元華族の椿家内外で次々と起こる惨劇を描いた、横溝正史の代表作の一つですね。名探偵・金田一耕助が活躍する“金田一シリーズ”といえばデビュー作「本陣殺人事件」を始め、「獄門島」や「八つ墓村」など岡山を舞台にした作品が人気・評価共に高く、東京を舞台にした作品は一段下に見られる傾向があるのですが、この「悪魔が来りて笛を吹く」は“東京もの”でありながらこれまでに何度も映画・テレビで映像化されるなど、“岡山もの”に負けず劣らず人気・評価が高い作品です。没落した元華族の禁忌と、そこから生じた愛憎のドラマ。フルート曲「悪魔が来りて笛を吹く」のメロディに込められた忌まわしい血の秘密。“岡山もの”の土着的な因習のドラマとはまたひと味違った陰鬱なムードが全編に漂っていて、それが堪らないです。角川文庫には昭和47年(1972年)に収録されました。
画像は昭和52年(1977年)に角川書店より刊行された「角川文庫 悪魔が来りて笛を吹く 第2期」です。劇中で重要な小道具として登場する黄金のフルートを吹いている悪魔が何とも強烈なインパクトを放っていますが、この画は昭和52年(1977年)にテレビで放映された『横溝正史シリーズ 悪魔が来りて笛を吹く』のタイトルバックでも使用されたこともあって、横溝ブーム直撃世代には思い出深い表紙画です。

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